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【レンタルの新潮流②】 オリジナル商品を展開、ベンチャーが「家具」で参入

2018年11月15日 11:16

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 昨今新たに立ち上がるネットレンタルサービスの中で目立つ商材の1つが「家具」だ。大手通販ではディノス・セシールが昨年から家具やインテリアのレンタルサービスを始めているが、今年に入って複数のベンチャー企業が参入。安価なオリジナル商品を武器に攻勢を仕掛けている。

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 クラスは8月末に家具のネットレンタルサービス「CLAS(クラス)」を立ち上げた。イス、テーブル、ベッドなどを月額500円から借りることができる。送料や保証金、初期費用は不要。まずは1都3県(東京・神奈川・千葉・埼玉)で展開している。

 クラスの久保裕丈社長はかつて会員制のフラッシュセールサイト運営会社ミューズコーを立ち上げ、その後ミクシィに売却している。自身も引越しが多いという久保氏は「初期費用がかからず、月々支払って2年ほど経っても買うよりは安いような価格づけをできれば、現代の人にははまるのではないか」と考え、サービスに乗り出した。

 久保氏によると、年内はβ版のような位置づけで現状6カ月としているレンタル期間や料金体系は今後変更する。「短い期間お試しで使いたい人もいる」(久保社長)ため、短期間の利用から半年、1年と長く借りていくと徐々に安くなるような価格帯にしていく。

 同社の商品は自社で企画をして中国など海外の工場で生産。素材には分厚い板や鉄を使い、返却された商品に傷が付いていても修理して綺麗な状態で再度貸し出せるようにしている。自社商品のため安価に提供できるのも強み。今後は家具ブランドから仕入れた商品もそろえていく。

 「クラス」は個人だけでなく法人にも貸し出しており、特に法人向けはリースに比べてメンテナンスが不要で期間も自由に選択できるなど柔軟性が高いことから人気のようだ。

 「クラス」からおよそ半月後の9月13日に立ち上がったのが、カマルクジャパンが運営する「subsclife(サブスクライフ)」だ。親会社はシンガポールに本社を構え、インドネシアに家具工場を持つ。「その工場を使えば旧態依然とした家具業界で面白いことができるのではないかと考えた」。カマルクジャパンの町野健社長はサービス開始の発端をこう説明する。

 同社でも個人と法人どちらにも商品を提供。自社工場を使ってオリジナルの家具を安価に提供するほか、ベイクルーズの家具ブランド「ジャーナルスタンダードファニチャー」など他社のブランドから仕入れたアイテムも取り扱う。

 強みは貸し出す家具のラインアップだ。「プロダクトのデザインは(他社よりも)頭一つ突出していると思う」と町野社長。扱っている300点の商品は新品で提供し、返却されたもののうち自社家具は工場で加工し直し、他は二次流通に卸す。

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 「クラス」の場合、ユーザーはレンタル品を買い取ることはできないが、「サブスクライフ」では気に入れば買い取ることも可能だ。

 借りる際に月額の利用料金に加えて小売価格も提示。最初に3カ月~24カ月の中で利用期間を選択し、期間終了時に返却か買取を選択できる。買い取る場合は小売価格から支払ったレンタル料を差し引いた額を払うという仕組み。

 「月額料金を払って途中でやめるという選択肢もあり、売り切りのビジネスよりも顧客との関係性も継続する」(町野社長)。所有しないのがレンタルの1つの特徴だが、「家具は長く使うのに借り続けると上代を越えてしまう」(同)。そうした課題を解決する狙いから、レンタル後に返却だけでなく購入という導線も作っている。

 クラスの久保社長はミューズコー時代に比べて、取引先との商談がスムーズに進むと指摘する。それだけ求められていたと手ごたえを感じており「今までプレーヤーがいなかった空白地点に飛び込んだ実感はある」と久保社長。カマルクジャパンの町野社長も「家具は99%が購入。5年後にどれだけ業界が変われるか」と述べる。果たして家具業界に一石を投じることができるのか注目だ。(つづく


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