LINEは提供している法人向けのアカウントのうち「LINE公式アカウント」と「LINE@」を統合して新たに「LINE公式アカウント」として提供を始める。統合の時期は未定だが、新アカウントは月額費用0円からで、メッセージ数に合わせた従量課金となる。企業の導入ハードルを下げてアカウントの利用を促す。
LINEは6月28日に千葉・舞浜で戦略発表会「LINEカンファレンス2018」を開催。その中で法人向けアカウントの統合について発表した。
統合後の新たなLINE公式アカウントの特徴は大きく2つで、月額0円からという料金設定と、従量課金の採用だ。
これまでの公式アカウントは月々の利用料が最低でも250万円かかった。これがLINE@と同様に0円から始められる。具体的にはつながっている「友だち」の数に応じて3つのプランを用意。月額0円の「フリー」、同5000円の「ライト」、同1万5000円の「スタンダード」というプランで構成する。
2つ目の従量課金については、企業がユーザーに送るメッセージの量に応じて課金する。これにより「ユーザーに届けるメッセージの価値を高める」(LINE執行役員広告事業戦略担当葉村真樹氏)という狙いがある。
統合後のLINE公式アカウントでは、メッセージ最適化サービス「LINEビジネスコネクト」やカスタマーサポートサービス「LINEカスタマーコネクト」、そしてLINEポイントを活用したポイントプログラムサービス「LINEポイントコネクト」といったサービスも統合し、オプションとしてAPI化して公開する。「企業はユーザーに適したコンテンツを提供することが可能になる」(同)というわけだ。
アフィリエイトはオフラインを強化
カンファレンスではこのほかのサービスについても取り上げた。
LINEのアフィリエイトサービス「LINEショッピング」は昨年6月の開始から1年で230以上のショップやブランドが参加しており、2018年の第1四半期(1~3月)は前四半期比で取扱高が27・2%伸びている。会員登録数は2000万人を超え、MAU(月間アクティブユーザー)も1000万人を突破。直近の取扱高も順調で、昨年のカンファレンスで発表した18年の年間取扱高1000億円の目標も達成できる見込みのようだ。
今年はオンラインだけでなくオフライン向けの対応を強化する。すでに昨年12月からディノスの実店舗でテストを実施。店員がレジでバーコードを読み込むことで店頭での買い物時にLINEポイントを付与するというもので、秋には実店舗向けのサービスをリリースする予定だ。
6月28日には「LINEショッピング」内で写真や画像から商品検索ができる新機能「ショッピングレンズ」の提供を開始。ユーザーが撮影した商品や保存していた画像をアップロードすると、画像解析技術によって「LINEショッピング」で展開しているアイテムの中からビジュアルが似ている商品を検索することができる。
LINEはコマース領域の新サービスとして6月28日から国内外の旅行を比較検索して予約ができる「LINEトラベル」も始めた。「LINE」上で直接アクセスが可能で、年内に航空券比較や国内外のツアー比較にも対応していく。
決済サービス「LINEペイ」では6月28日に、中小規模事業者向けにQRコード決済に対応した店舗決済用アプリを配信した。同アプリを使うことで店舗は初期費用無料で「LINEペイ」を導入できる。今年8月から3年間は同アプリ経由の決済手数料を無料とする。
LINEのAIアシスタント「クローバ」についても今冬をメドにディスプレイ付きのスマートスピーカー「クローバ・デスク」を投入する。ホワイトとブラックの2色展開で画像認識が可能なカメラを搭載。ディスプレイが付くことで、ネット販売機能の実装も視野に入れているようだ。