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ドコモ、KDDI、ソフトバンク 携帯電話キャリア3社が共通で新コミュニケーションアプリを配信 商用利用も実施で通販事業者の活用も

2018年 4月12日 09:45

DSC02063.JPG NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社は5月9日から、新たなコミュニケーションアプリ「+(プラス)メッセージ」の配信を始める。各携帯電話キャリアをまたいで利用者同士がチャット形式で長文のメッセージの交換や写真・動画のやりとりができるもの。通信アプリ「LINE」に近い機能だが、ユーザー登録なしに"電話番号のみ"で利用できることが特徴。開始時点では個人間の利用のみだが、企業が個人にリーチするためなどの商用利用も実施していく考えで通販実施企業も顧客との接触ツールとして活用できる可能性もあり、注目されそうだ。

 「+メッセージ」(=写真=デモ画面)は大手携帯電話キャリア3社が共通の仕様、アイコン、ユーザーインターフェイスで配信するコミュニケーションアプリで従来から各社が展開してきた電話番号を使って文字をやりとりできるSMS(ショートメッセージサービス)の後継サービスで世界各国の携帯電話キャリアが導入しているRCS(リッチコミュニケーションサービス)と呼ばれる技術を導入して展開するもの。

 従来のSMSでは異なるキャリアにメッセージを送信する際の送信可能文字数が全角70字に制限されていたほか、機種によっては絵文字が文字化けするなどの使いにくさがあったが、「+メッセージ」では文字数は全角2730字まで送信できるようにしたほか、SMSではできなかった写真・動画や地図情報、音声メッセージの送受信をできるようにし、複数人と同時にメッセージのやり取りができるグループメッセージ機能なども付けた。また、「LINE」などと同様に専用スタンプ(イラスト)や既読を表示する機能、QRコードの表示・読み取りによる連絡先交換機能、迷惑メールをブロック・通報機能なども備えた。なお、課金方法も1通ごとに料金を徴収するSMSで採用する従量課金ではなく、パケット通信料とした。

 「SMSは電話番号だけでテキストが送れて便利という声が多い一方、お客様からは他社(他キャリア)には送りにくいとの要望が多くあった。相手がどこの携帯電話会社かということを意識することなく通信できることを当たり前にしたい」(NTTドコモ・藤間良樹コミュニケーションサービス担当部長)とし、SMSの機能を進化させるとともに、異例とも言える3社共通のサービス仕様で展開することにしたようだ。

 「+メッセージ」は当初は個人間のメッセージ交換のみの対応だが、事業者向けの商用利用も始めるよう。具体的な開始時期は未定だが、「LINE」などと同様に企業の公式アカウントの設置や企業スタンプの配布、企業からのメッセージ送信などを行えるようにするようだ。「イメージとしてはカスタマーサポートや飲食店などの予約確認、申込手続、リマインド通知など企業とそのお客様の円滑なコミュニケーションをサポートできる総合的なプラットフォームにしたい」(藤間部長)という。

 利用者数の目標については明らかにしていないが、5月9日から同アプリの無料配信を始め、「SMSをベースにしているため、(競合サービスのLINEのように)特にユーザー登録など必要がなく、電話番号を知っているだけで利用できる」(KDDI・金山由美子サービス企画部長)というメリットを生かし、ダウンロード数を増やし、現在、SMSを利用する30代以上の層の利用を促していくほか、5月以降からは各社から発売するスマートフォンおよびタブレットの各端末にはあらかじめ同アプリをインストールしておくことで利用者を増やす。また、今後、Android搭載のフィーチャーフォン(従来型携帯電話)への対応も検討するほか、MVMO(仮想移動通信事業者)などへの導入も進めていくとしている。

 通販実施企業でも「LINE」を介したマーケティングが進む中、今回のキャリア発の同サービスも後発ながら、一定の利用者数は見込めそうで、同じくマーケティングに活用できる可能性は高そうで進捗を注視しておく必要がありそうだ。

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