ソウル市内にある「弘大(ホンデ)」は、韓国の代表的な観光地であり、同時にファッションや流行の発信地としても有名です。アパレル企業「BUGUNFNC」は、レディースブランド「イムブリー(http://imvely.jp)」の初の旗艦店をそのホンデに11月25日、開業しました。
5階建て同店の1~3階には、アパレルアイテム、化粧品、アクセサリーなどの商品を提示し、4~5階には直営のカフェを運営しながら、顧客にブランド体験や休息空間を提供しています。同社は、この旗艦店を通じて、韓国国内の顧客を含め、韓国を訪れる観光客に対しても「イムブリー」のブランド認知度向上を図る計画を立てています。
SNSスターがモデル兼企画者
「BUGUNFNC」を運営する朴・ジュンソンCEOは、大学時代からファッションへの関心が高く、アパレル事業に取り組んできた人物です。彼は、メンズブランド「MUTNAM」を韓国ナンバーワンブランドへ成長させ、そして「イムブリー」まで成功させるなど活発な事業を展開しています。
EC発ブランドのイムブリーは、SNSスター出身で同ブランドのモデルとしても活躍しているイム・ジヒョン常務の商品企画力とBUGUNFNCの事業ノウハウにより、韓国を代表するアパレルブランドへと成長しました。75万人のインスタグラムフォロワー数を保有するイム常務は、20~30代女性に圧倒的な影響力を発揮しながら、ファッショントレンドをリードしています。
16年度に75億円毎年2桁成長を
イムブリーがリリースされた2013年以来、同ブランドは驚くべき成果をあげてきました。韓国アパレル市場の低迷が続いたにもかかわらず、毎年2桁成長を記録し、16年度は(前年比31・0%増)721億ウォン(約75億円)を達成しました。
「イムブリーを立ち上げて1年足らずで、韓国レディース服の通販売上トップを記録したことから、成長可能性が高いブランドだと確信ができました」(朴CEO)
イムブリーは、EC向け事業とともにリアル店舗展開にも積極的な動きを見せています。ロッテデパート(流通大手「ロッテ」運営)のイムブリー本店をはじめ、主要店舗の月間売上は2億ウォン(約2000万円)を記録しており、他の店舗も平均1億ウォン(約1000万円)の月間売上を記録しています。
最近、新世界デパート(流通大手「Shinsege」運営)で1週間開かれた150坪のポップアップストアに、数多くの顧客が集まり、3億ウォン(約3000万円)の売上を達成するなど、韓国流通業界で話題にもなりました。
このような人気の背景には、イムブリーならではの差別化された商品が主な原因だと分析しています。競合ブランドと差別化された独自イメージを構築するため、商品開発に注力しており、代表的ヒット商品として「CRAZY PANTS」があります。優れた伸縮性やスタイルで女性が好むフィット感を提示したことで、今もシリーズ企画商品として人気を集めています。
また、様々な分野のアーティストやデザイナーとコラボレーションを行い、ネットビジネスの利点を生かした独自コンテンツ制作にも力を入れています。ECサイトを単なる販売チャネルではなく、若者がファッションを楽しめる空間として積極的に活用しています。同時に、アパレルアイテム販売にとどまらず、化粧品、下着、ジュエリーなどカテゴリーを拡張しながら、顧客層拡大に取り組んでいます。
「アパレルブランドは、インフルエンサーとECが相乗効果を生み出すことができます。SNSスター出身のイム常務が自分の魅力やコンテンツ制作能力をうまく発揮できるよう、弊社が生産から流通、販売などをサポートしたことで、今の成果が達成できたと思います」(朴CEO)
グローバルECプラットフォーム「cafe24(www.cafe24corp.com/jp)」を利用し、日本向けECサイトも立ち上げた朴CEOは、今後の計画についてこう話しています。
「今回の韓国旗艦店は、グローバル展開を目指した取り組みの一環です。2018年は、ファッション激戦市場の日本向け展開を積極的に取り組む予定です。徹底した日本向け現地戦略でブランド認知度向上に力を入れて行きます」