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マリリニュージーランド、対応重視でリピーター獲得、「マヌカハニー」が主力商材、「10回以上」21%も

2017年 9月 7日 10:32

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「楽天EXPO2017」EXPO賞の北海道エリア賞を受賞した「マヌカハニーのマリリニュージーランド」を運営するマリリニュージーランドは、「マヌカハニー」を中心に、ニュージーランド商材を扱っている。

 マヌカハニーとは、ニュージーランド原産のギョリュウバイの花から採れた蜂蜜のこと。抗菌・殺菌作用があるとされている。鈴木CEOの妻である、鈴木よう子店長&クオリティーマネージャー(写真㊧)が20年前から愛用していたが、日本では手に入りにくかった。10年前に、娘である鈴木繭インポート&ディベロップメントマネージャー(写真㊨)がニュージーランドへ留学したのをきっかけとして、鈴木CEOがニュージーランドを訪れて調べた結果、「ワトソン&サン社のマヌカハニーの品質が一番良いと判断したが、大口でしか取引できないので1000本輸入した」という。

 当時は広告代理店に勤めていた鈴木CEOだが、さまざまなルートで店舗に売り込んだものの、認知度が低い上に高価であることから、思うように行かなかった。そこで思い当たったのがネット販売。2007年5月に楽天の「楽天市場」に出店、ゴールデンウィークを利用し、「楽天大学」に通ってネット販売のノウハウを学んだ。埼玉県にあるマンションの一室にマヌカハニーを置きそこから出荷した。

 同社の場合、ネット販売のみで卸売りは行っていない。「品質を維持するには室温を一定の温度に保つ必要があり、きちんと温度管理しない小売店では中身が分離する恐れがある」(鈴木CEO)からだ。また、抗菌力を保証した分析書・認定証を保証の付与も他社に先がけて行った。

 出店当初はマヌカハニーの認知度が低く、なかなか売れなかったものの、「おいしそうな蜂蜜という点をまずアピールする」(同)ために、写真やページ作りを工夫したことで売れるようになった。その後、鈴木CEOの念願だった北海道移住を敢行。広告代理店も辞めて、ネット販売に専念している。

 同社の大きな特徴はサポートを重視している点だ。毎月、顧客からのレビューを社員全員で読むことで、顧客対応の改善につなげている。これは創業時からの取り組みだ。ネガティブなレビューがあった場合はそこから課題をあぶり出し、場合によっては顧客へ連絡するという。鈴木夫妻は北海道に在住しているが、娘の鈴木インポート&ディベロップメントマネージャーはニュージーランドに、カスタマー担当は全国各地に住んでいることから、打ち合わせはスカイプやテレビ会議を使っている。また、商品は埼玉県深谷市の倉庫に預けているが、物流に問題があった場合は、物流会社とすぐにスカイプでミーティングして改善している。

 カスタマーの教育は鈴木店長の担当だ。カスタマー担当のミーティングも毎週行っている。例えば、顧客へ返信したメールの文面について「仮に病気のお子さんがいた場合、この書き方では失礼なのではないか」(鈴木店長)など、シミュレーションを重ねながら品質向上につなげている。

 マヌカハニーはここ数年、テレビで取り上げられる機会が多く、輸入業者も増加。楽天市場内での価格競争も激しいという。そのため、原価率が以前に比べて大幅に向上。さらに、運賃の値上げといった逆風も吹いている。鈴木CEOは「商品の回転率を上げることで無駄な在庫を持たないようにしたい。そのためにはデータに基づいた販売戦略が重要なので、専門スタッフに立案してもらっている」と話す。

 きめ細やかなサポートで成長してきた同社だけに、10回以上購入した消費者は全体の21%を占めるという。鈴木CEOは「一見、無駄と思われるようなことでも10年間積み重ねてきたのは、良い商品をお客様に届けるため。ニュージーランドの良さを伝えるためにも今後も頑張りたい」と意気込む。

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