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フライミー 家具のECで売上倍増、地道な交渉でブランド開拓

2017年 7月20日 09:36

 5-1-1.jpg家具のネット販売を展開するフライミーが好調だ。通販サイト上では多くのブランドのアイテムを取りそろえており、幅広いテイストや価格帯でのラインアップが評価され、直近数年は売り上げが倍増している。

 同社は自社通販サイト「フライミー」(=画像)を運営する。サイトを開設したのは2012年2月。同社によると、そもそも家具業界ではブランドイメージを損なうことなく商品を発表したり販売する場が少なかったようだ。同社では1社ずつまわってそうした課題を解消する新しい売り場として「フライミー」を提案した。

 地道な交渉の末、多くのブランドが直接取引に応じ、オープンの段階で肝になるブランドは集まっていたという。現在では取扱ブランド数は400以上にのぼり、2万点以上の商品を展開している。

 通販サイトでは同業他社が扱っていない商品を販売しているだけでなく、小売店には陳列されていないようなプロ仕様の商品も掲載。通販サイトの見せ方は一般消費者をにらんだBtoC向けだが、飲食店や宿泊施設、オフィスなどBtoB経由の受注も増えており、設計事務所や内装会社が同サイトをカタログ代わりに使うこともあるようだ。


"無色透明"でサイトを運営

 様々な商材の中でも家具は大きいため、店舗に陳列しても坪効率が悪く回転率も良くない。そのため家具業界では以前からカタログ販売が多かった。昨今ではウェブでも買いやすくなった。

 経済産業省の調査によると家具やインテリア業界のEC化率は15年時点で16%超と、衣料品の9%よりも高い。その意味では家具のネット販売市場にはポテンシャルがあると言えるかもしれない。

 もっとも、商品のテイストや価格帯が異なるブランドが互いに共存することは簡単ではない。にもかからず、「フライミー」には多くのブランドが正規の取引先として参加している。

 鍵は同サイトのデザインコンセプトにある。それは、整理整頓された"透明な箱"であるということ。各ブランドの世界観を表せるようにサイトは無色透明でカラーを打ち出さず、解釈は顧客に委ねるというスタンスに徹している。

 こうしたサイト運営の姿勢がブランド側からも支持され、豊富な品ぞろえにつながっている。その結果、通販サイトに訪れる顧客が増えるという好循環を生み出しているようだ。

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