シニア向け女性誌を発行するハルメクがＢtoＢ事業を強化している。３月には通信教育を手がけるユーキャンに自社の人気連載企画「きものリフォーム」から通信講座を提供。他社との協業を積極的に展開していく中で、新規顧客と新たな接点を築いていく。

　ユーキャンの通信講座に提供するのは、雑誌「ハルメク」の人気連載「きものリフォーム」。過去１５年間の連載の中で紹介したリフォーム作品約７３０の中から、とくに人気の高い１５作品をピックアップして紹介する。

　人気連載を他社に提供するのは初めて。ユーキャンとしても雑誌の連載企画と連動した通信講座の展開は初めてになる。ハルメクでは、通信講座にチラシを同梱することも検討しており、ユーキャンの高い知名度を活かし、自社の認知向上につなげる。

　通信講座（＝画像、一括払いで税込２万３０００円）では、手作り初心者でも安心して着物リフォームに取り組めるよう工夫する。

　テキストは、着物の仕組みや各部の名称、ほどき方や洗い方、裁ち方など基礎知識をまとめた「テキスト１」と、オールカラーで図解する「テキスト２」。製図の必要なく、そのまま型紙として使える実物大型紙７枚のほか、縫い方やほどき方を説明したレッスンＤＶＤをつける。

　「きものリフォーム」は雑誌「ハルメク」（毎月約１７万部発行）の人気連載。購読者獲得に向けて行う広告展開でも、購読の決め手となることが多い。母親から譲り受けながらたんすに眠ってしまっているような着物の扱いに困っている読者の悩みを受けて生まれた。とくに６０～７０代女性に人気が高く、チュニックやワンピースにリフォームしたり、端切れや帯地を使ったバッグやコースターの作り方を紹介している。２０１５年には、連載からピックアップした書籍も発行している。

　ハルメクは、ここ数年、ＢtoＢ事業を強化している。過去には、ワタミが展開する宅配食ルートで通販カタログを配布。オリジナル企画の商品の卸販売も一部で行っている。

　雑誌の連載企画は、ほかに複数の手作り作家がバッグの作り方を紹介したり、着物を使ったパッチワーク、体操方法を紹介するものなどがある。