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ロコンド 黒字体質が定着へ、3年ぶりにサイト刷新、百貨店と協業も

2016年 9月 1日 11:10

051.jpg ロコンドは、次の成長を目指して3年振りとなる大幅なサイト刷新を計画するほか、百貨店とタッグを組んだオムニチャネル施策を強化する。

 今上期(3~9月)については、3月に在庫管理システムを内製化したほか、4月には英国の人気ブランド「オールセインツ」の日本展開強化に合わせて同ブランドの自社EC運営支援や、実店舗で商品が欠品した際にロコンドの倉庫から購入者の自宅に届けるサービス「ロコチョク」などでサポートを開始した。6月には通販サイト「ロコンド」の利用者に対し、購入金額が送料無料ラインの5000円未満の場合に買い回りをすすめる機能を追加するなどした。

 財務面では、5年間の赤字期間を経て、昨年10月には単月黒字化を達成したが、今上期も順調に推移して利益面は大幅に改善。継続的な収益体質が整ったことから、下期は投資を増やして再び売り上げ重視の経営を行うという。

 下期の施策については、10月3日に「ロコンド」の大幅なリニューアルを3年ぶりに実施する。同サイトは第1四半期(3~5月)の平均商品単価が7000円強で、競合の大手ファッションECモールと比べて単価が高いことから、"アフォーダブル・ラグジュアリー(手に入る高級品)"をサイト刷新のコンセプトに、トーン&マナーをそろえて高級品をより買いやすいサイトを目指す。同時に「ロコンド」のロゴも刷新する予定だ。

 また、アウトレット品を扱う通販サイト「ロコレット」もリニューアルを実施。高い商品が安く買えるサイトというMDを改めて強化する。

 また、リニューアルに合わせて、ファッションECでも当たり前となっているポイント競争からは一定の距離を置き、レビュー投稿でポイントが当たる"おみくじ"が引けるようにするなど、ソーシャルの要素を強めてサイトの活性化につなげる考え。

 特設ページも見直す方針で、ファストファッションに特化したページでは、新コンセプトの"アフォーダブル・ラグジュアリー"の商品群と組み合わせやすいファストファッションのアイテムを提案する。高額ブランドを扱うプレミアムページもリニューアルするほか、チャイルド・ボディ・セラピストの蛯原英里さんとコラボしたママ向けサイトについても30~40代のママ層が求めるアイテムを強化して臨む。

 また、スマホ経由の販売比率が高まっていることを受け、「ロコンド」のスマホアプリを10月にスタートする計画で、年内には"すぐ見つかるアプリ"へのバージョンアップを目指すという。スマホ対策としては、LINEのIDでも購入できるようにするほか、LINEを通じたコミュニケーションを強化する。

 支援系のプラットフォーム事業については、新サービス「ロコチョクディー」を8月24日にスタート。「ロコンド」で扱う1000以上のブランドの商品を百貨店に取り寄せ、店頭決済で販売できる仕組みで、取り扱いブランドが限られる百貨店の中小型店でも品ぞろえを増やせるメリットがある。ブランド側にとっても販売員と在庫を百貨店に置かずに売り場が広がるとする。第1号案件としては、そごう・西武が西武船橋店と西武大津店、そごう徳島の3店舗で展開。店頭に約50型の靴を陳列するショーケースと、タブレット端末を設置して「ロコンド」のすべての取り扱い商品を確認できるようにしている(画像)。今後は他の百貨店への導入も進める。

 ロコンドによると、什器や設置場所を含めて改善点は多いようだが、17年8月までに百貨店50店舗への導入と、月商200万円(年商12億円)を目標に掲げ、中長期的には100店舗、年商12億円を計画する。

 また、17年3月には物流拠点「ロコポート」を現在の東京都江東区から千葉県八千代市の大型物流拠点に移転することが決まっており、倉庫面積はほぼ倍増となる約3万5310平方メートルに拡張する。入庫から返品対応まで全工程のフローを見直すほか、ロボットの導入も検討しているという。
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