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オンライン試着サービスの現状は?③ 「ユニサイズ」 アンケート方式で採寸不要

2016年 5月12日 10:51

071.jpg メイキップが手がけるサイズレコメンドエンジン「ユニサイズ」は、EC利用者が最短1分の簡単なアンケートに答えるだけで、気になる服のおすすめサイズを表示するサービスだ。

 メジャーを使って服を採寸する必要のない簡易性が特徴で、導入サイトの商品詳細ページに設置された「あなたに合うサイズを調べる」ボタンをクリックすると専用画面が立ち上がり、ユーザーは自分の身体に合うブランド名とサイズ、気になる商品のカテゴリーを選択後、身体の特徴を選択すると(画像㊨)、おすすめサイズとともにトップスであれば着丈や袖丈、身幅のサイズ感をゲージで確認できる(画像㊧)。登録済みカテゴリーでは再入力の必要はなく、「サイズを調べる」ボタンの部分におすすめサイズが表示されるようになる。

 レコメンドのアルゴリズムは、600ブランドを超える服のサイズデータと、性別・年代別の体形に関する統計データを基に、アンケートで得た身体特徴を加味して、おすすめサイズを表示する仕組みだ。

 EC購入のハードルとなるサイズ感の不安を取り除くことで、購入率の改善や返品率の低減などに寄与できるとしており、昨年10月8日~12月31日の間、夢展望がテスト導入した際には、「ユニサイズ」の未利用者と比べ、利用者は購入率で2・5倍、購入単価は1・3倍になったという。メイキップは2月8日に正式にサービス提供を開始。夢展望は本導入している。

 「ユニサイズ」の導入についてはタグ設置と服の採寸データをとり込むだけで、初期費用は無料、月額料金も利用された回数などに応じたテーブル制で、最大30万円と安価に始められる。

 一方、「ユニサイズ」は利用しやすさを考慮して会員登録を不要としているため、サービス利用者の反応が分からないこともあり、3月にはオンラインファッションレンタルのエアークローゼットと提携。レンタルサービスでは服が返却される際、顧客からサイズ感に対する評価も得ているため、定期的にデータを収集することで、レコメンドの精度向上につなげたい考え。

 また、夢展望の導入で見えた課題は利用率で、利用してもらえれば購入率の改善などが期待できることから、「あなたに合うサイズを調べる」ボタンの設定位置の修正も含めて利用されやすい工夫をすることで、「総売り上げにも貢献したい」(柄本真吾社長)とする。

 近く、「ユニサイズ」のリニューアルも計画。アルゴリズムの基となるブランド数を大幅に増やすほか、対象カテゴリーも細分化してレコメンドの精度を高めるとともに、利便性についても改善し、まずは年内に100社の導入を目指すという。

 また、現状はASPでEC運営企業に「ユニサイズ」をツールとして提供しているが、6月をメドに自社メディアを立ち上げるほか、中期的にはサイズレコメンドの対象アイテムを服だけでなく、靴や下着、バッグなどに広げるとともに、アジアを中心とした海外市場の開拓も計画する。

 自社メディアは、「ユニサイズ」の導入先に限らず、同社がサイズデータを収集したブランドのアイテムをすべて見られるサイトで、ユーザーは当該サイトで気になるブランド、商品のサイズ感を確認してから、ECサイトで購入できる仕組みとし、メイキップは送客数に応じた手数料が得られる収益モデルも構築していく。(④につづく、前回の②はこちら

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