レディースアパレルを展開するクロスカンパニーは9月16日から同社の主力ブランド「アースミュージック&エコロジー」商品の定額レンタルサービスを始めた。スマートフォンの専用アプリを利用し、ユーザーは月額5800円を支払うと3点までであれば月に何度でも新品の商品を借りることが可能で、返却後は同社の通販サイト内でユーズド(中古)品として定価の半額で販売するという仕組み。サービスを立ち上げた同社ウェブマーケティング部の澤田昌紀課長は「他の業界に奪われたシェアをアパレル業界に取り戻すための手段の1つ」と位置付ける。
◇
一般的に若い世代のファッション離れが進んでいると指摘されるが、総務省の調べによると、若年層の女性が1カ月に服や靴にかける費用は、2008年時点で1万7287円だったのが14年には1万718円と大幅に下落。高校生はファッションよりも音楽やインターネット、アニメ、漫画といったことに関心を寄せているようだ。
将来的に中心顧客層になるであろう十代の若年層の間でファッションへの興味が低下しており、このままではアパレル業界全体の縮小は必至。そこで所得が少なく服を買えない若年層にファッションに興味を持たせ、他の業界に移った売り上げを取り戻す目的で考えたのが日常着のレンタルサービス「メチャカリ」だ。
とはいえ、「メチャカリ」のようなサービスは業界的にも新しく、日常着のレンタルを経験したユーザーが少ない。そのため「妥協はせず、ユーザーにメリットがあるアプリを真剣に考えている」(澤田氏)とする。
例えばレンタルの商品にはシーズン落ちのものではなく新作を並べる。店頭やECで販売されるタイミングで「メチャカリ」でも並んでいるようにし、「ラインアップの面でも妥協はしない」(同)。
また、「メチャカリ」ではコーディネートを豊富に紹介しているが、その画像を撮影するために社内に専用スタジオを新設し、カメラマンなど業務に携わるスタッフも新たに採用するといった力の入れようだ。
ほかにも、複雑な仕様は利用時の障壁になるため、操作を簡単にし少ないタップ(スマホ画面へのタッチ)数で借りることが可能で、返す際も2タップで返却手続きができるようになっている。「シンプルでお客様にとって得になるようなものであれば、くちコミで広がるはず。良いサービスは人が人を呼ぶ」と澤田氏は期待を寄せる。
返却後の商品を通販サイトで販売 商品の返却には、レンタル時に同封されている返却用の袋とヤマト運輸の返却伝票を使い、集荷を呼ぶかコンビニに持って行く。返却時には手数料として500円が必要。レンタルしたままで60日が経つとユーザーはその商品をもらうことができる。
返却された商品は社内で検品をしたのち、問題がなければ中古品として同社の自社通販サイト「クロスカンパニーコレクション」内で販売する。
この取り組みに先立って今年の4~7月にテスト的に中古品の販売を実施したところ、100点程度を扱ったが消化率は100%だった。「ユーズド品が売れるというのがわかった」(澤田氏)。
10月中旬からは通販サイト内の商品詳細画面内に、新品と中古品のタブを付け、ユーザーが自由に選んで買えるようにする。これにより、例えば新商品を投入した際に「メチャカリ」でレンタルされてサイズが合わずにすぐに返却されたとすると、新商品発売から1週間後には通販サイト内で新品と中古品が並んで同時に販売されることになる。結果、若年層など所得が比較的少ない層の獲得なども期待される。
同社は10月から「アース」に加えて別のブランド「イーハイフンワールドギャラリー」のレンタルも開始。11月には「セブンデイズ サンデイ」と「グリーンパークス」といったブランドの商品も追加する予定だ。
アプリを活用し、「レンタル」と「ユーズド」を切り口とした新サービス。伸び悩むファッション業界を活性化することはできるのか。広告宣伝費や運用費に3年間で8億円を投じる計画で、今後どれだけユーザーを増やしていけるか注目される。
◇
一般的に若い世代のファッション離れが進んでいると指摘されるが、総務省の調べによると、若年層の女性が1カ月に服や靴にかける費用は、2008年時点で1万7287円だったのが14年には1万718円と大幅に下落。高校生はファッションよりも音楽やインターネット、アニメ、漫画といったことに関心を寄せているようだ。
将来的に中心顧客層になるであろう十代の若年層の間でファッションへの興味が低下しており、このままではアパレル業界全体の縮小は必至。そこで所得が少なく服を買えない若年層にファッションに興味を持たせ、他の業界に移った売り上げを取り戻す目的で考えたのが日常着のレンタルサービス「メチャカリ」だ。
とはいえ、「メチャカリ」のようなサービスは業界的にも新しく、日常着のレンタルを経験したユーザーが少ない。そのため「妥協はせず、ユーザーにメリットがあるアプリを真剣に考えている」(澤田氏)とする。
例えばレンタルの商品にはシーズン落ちのものではなく新作を並べる。店頭やECで販売されるタイミングで「メチャカリ」でも並んでいるようにし、「ラインアップの面でも妥協はしない」(同)。
また、「メチャカリ」ではコーディネートを豊富に紹介しているが、その画像を撮影するために社内に専用スタジオを新設し、カメラマンなど業務に携わるスタッフも新たに採用するといった力の入れようだ。
ほかにも、複雑な仕様は利用時の障壁になるため、操作を簡単にし少ないタップ(スマホ画面へのタッチ)数で借りることが可能で、返す際も2タップで返却手続きができるようになっている。「シンプルでお客様にとって得になるようなものであれば、くちコミで広がるはず。良いサービスは人が人を呼ぶ」と澤田氏は期待を寄せる。
返却後の商品を通販サイトで販売
商品の返却には、レンタル時に同封されている返却用の袋とヤマト運輸の返却伝票を使い、集荷を呼ぶかコンビニに持って行く。返却時には手数料として500円が必要。レンタルしたままで60日が経つとユーザーはその商品をもらうことができる。
返却された商品は社内で検品をしたのち、問題がなければ中古品として同社の自社通販サイト「クロスカンパニーコレクション」内で販売する。
この取り組みに先立って今年の4~7月にテスト的に中古品の販売を実施したところ、100点程度を扱ったが消化率は100%だった。「ユーズド品が売れるというのがわかった」(澤田氏)。
10月中旬からは通販サイト内の商品詳細画面内に、新品と中古品のタブを付け、ユーザーが自由に選んで買えるようにする。これにより、例えば新商品を投入した際に「メチャカリ」でレンタルされてサイズが合わずにすぐに返却されたとすると、新商品発売から1週間後には通販サイト内で新品と中古品が並んで同時に販売されることになる。結果、若年層など所得が比較的少ない層の獲得なども期待される。
同社は10月から「アース」に加えて別のブランド「イーハイフンワールドギャラリー」のレンタルも開始。11月には「セブンデイズ サンデイ」と「グリーンパークス」といったブランドの商品も追加する予定だ。
アプリを活用し、「レンタル」と「ユーズド」を切り口とした新サービス。伸び悩むファッション業界を活性化することはできるのか。広告宣伝費や運用費に3年間で8億円を投じる計画で、今後どれだけユーザーを増やしていけるか注目される。