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2013年6月に自社通販サイトを開設して約2年が経つが、とくに実店舗とECを併用するコアなファンが定着している。一方、ECならではのウェブ集客による新客開拓が課題だ。また、サイト開設以来、リニューアルを実施していないが、昨年夏頃からスマホ流入が約70%に増えており、サイト改善やユーザビリティーが追いついていない状況という。
自社ECの客単価は他社ECモールと比べて3000~4000円程度高いのが特徴だ。他社モールのユーザーは単品買いの傾向が強く、今春夏シーズンは商品単価も下がっているという。自社サイトはもっとも品ぞろえが豊富でキャリー品も扱っているため、"掘り出し物"を見つける楽しさも加わり、複数点買いが多い。
売れ筋アイテムは自社ECも他社モールも大きな違いはなく、楽天ポイントやエポスポイントを使いたいユーザーは「楽天ブランドアベニュー」や「マルイウェブチャネル」を、配送の速さや送料を気にする消費者は「ゾゾタウン」や「アマゾン」で買い物をするといった具合のようだ。
店頭と通販サイトで実施したアンケートによると、店頭客の80%強が一度も自社ECを利用したことがないものの、新作やセール情報などはウェブで確認しており、週1回以上サイトを訪問する顧客は70%に上ることから、自社ECの伸びしろは大きいと見ている。
サイトの見せ方の面では、服のサイズ感をいかに伝えるかが課題という。そのため、身長の異なるモデルがどちらもSサイズとMサイズを着用した画像を掲載することで、着用感をイメージしやすくする。写真撮影については内製化を推進。主力品番など全体の約2割を自社撮影に切り替えており、とくにサイズ展開の多いメンズ商材はサイズ別の撮影に着手し始めたところだ。
自社通販サイトのリニューアルについては来年夏頃をメドに実施する計画で、同時に実店舗との会員情報も統合する。
現状、通販サイトとブランドサイト、ブログポータル、採用サイトでそれぞれ異なるドメインを持ち、トラフィックが分散しているため、刷新時に統合する。ブログのトラフィックは全体の3割程度を占めているものの、ECへの紐付けをしておらず、ドメインの統合と導線を整備することで、EC売り上げを約20%押し上げる効果が期待できるとする。
サイト改修ではスマホファーストを実践。スマホサイトの利便性に重点を置く。
また、ECは購入金額の1%をポイントとして付与しているが、店頭にポイント制度はなく、会員情報統合後はポイント制に統一したい考え。
足もとでは、メルマガを強化する。現状は一括メールで新作案内など配信しているが、レコメンドエンジンを導入して1to1メールを送れるようにするという。また、今後はEC強化のボトルネックでもある初動好調商品の在庫調達やネットで売れやすい商品の開発、物流・撮影部隊の整備、店頭からECへの誘導についても力を注ぐ。