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プリザーブドフラワーとは、専用の液体で生花を脱水・脱色し着色などを加えたもので、生花のようなみずみずしさを長く保つことができるのが特徴。最近では日本で定着しつつあり、プリザーブドフラワーの生産地であるコロンビアおよびエクアドルからの輸出の約8割は日本向けになっているという。
すでに日本でもプリザーブドフラワーはギフト商材として出回っているが、もともと欧州で人気があった関係で洋風テイストのものが主流となっており、また、制作に手間が掛かかることからシンプルなデザインのものが多い。
これに対し千趣会イイハナでは、BtoCの母の日ギフトで和風テイストの商品が好まれていることに着目。アレンジメントのデザインができる社員がいることなどを踏まえ、自社で商品のデザインや加工などを行う体制を構築し、"和モダン"をテーマとした自社企画・開発のプリザーブドフラワーブランド「はなり」の展開に乗り出した。
外部向けに本格的な「はなり」の商品告知を始めたのは、昨年9月に開催された「第78回インターナショナル・ギフト・ショー」から。この際には、約20アイテムの商品を展示したが、3日間で百貨店やフラワーショップの担当者など約300人がブースに来訪するなど、和風テイストの目新しさと繊細でクオリティの高いデザインに対する注目度の高さをうかがわせた。
また、2月4~6日に開催された第79回の同展示会にも、展示ブースを広げ、展示商品数もほぼ倍増した形で出展し、3日間でフラワーショップや菓子、雑貨販売事業者など約500人がブースに来訪。母の日用のギフト商材として繊細なデザインを評価する事業者からの「引き合いが多い」(杉本社長)状況で、特に、プリザーブドフラワーがセットされた箱に自社商品を入れて販売するタイプの商品では、母の日のギフトの単価アップ策として花と菓子をセットで販売したい菓子販売店からの引き合いが目立ったという。
千趣会イイハナのBtoB事業は、農家から仕入れた鉢植えなどの卸が中心だったが、自社で加工を加え独自性を持たせた「はなり」を新たなけん引役としていく意向で、今年は1億円の売り上げを計画。当面の目標として5億円規模を目指す考えのようだ。