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【コールセンター誘致の現状】 地方自治体は助成や研修を充実

2014年11月20日 10:00

 7-1.jpg地方自治体は、企業のコールセンター誘致を積極化している。地元の雇用機会を増やすことが狙いで、助成制度の充実や研修を通じた人材育成サポートなどの体制を整備している。コールセンターを持つ事業者にとって人材の確保は共通の課題。地方自治体の支援制度や実際に制度を利用するコールセンター事業者の取り組みを見てみる。

 若者や女性の人口が増加傾向にある福岡市は今年2月に、助成制度を刷新した。対象となる産業分野を定めていたものを撤回し、インバウンドを主な業務とするセンターを対象に、建物や機械設備の賃借料4カ月分を補助する内容に見直した。県が用意する助成制度と組み合わせて利用することが可能。県が取り組む研修制度などを活用し、人材育成をサポートしていく。

 災害リスクが少ないことや人口増加などを理由に現状、4~5社が制度を利用して開設しているという。「企業からは出張しやすい立地や、若者の人口が増えているので活気があると評価されている」(福岡市)と話す。

 また、新潟の佐渡市はコールセンター誘致を積極化する一環として、人材育成に注力。コールセンター事業を行うヒューマン・キャピタル・コンサルティング(HCC)を講師に招いた研修を実施。受講者に対する企業や求人の紹介などを行い雇用促進につなげている。

 このほか、佐渡市ではコールセンター事業者を対象とした助成制度を充実。「新規雇用促進補助金」や「工場等施設整備補助金」など4つの助成制度を用意。「他の自治体に並ぶ水準に制度を整えてきた。企業がメリットを感じるレベルまで高めている」(佐渡市)という。

 また開業支援の一環として、市が保有する施設を提供。佐渡島は携帯電話やネットが利用できる環境が整っており、使われていない学校などをオフィスとして利用することができるという。

 HCCは2011年に、佐渡市の制度を利用して本社とコールセンターを移転。通販会社など複数社のコールセンター業務を受託する。当初10人からスタートしたコールセンタースタッフは現在、25人まで増員している。

 通販会社のコールセンター業務の受託では、車通勤が主流の地域性を強みに、早朝や夜間の受注にも対応できる体制を整備。「方言がなく、人の気持ちをくみ取ることができる人柄で業務に適した地域性がある」(川口社長)としている。
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