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一環として今年3月、事業会社のサンエー・インターナショナルの直営通販サイトとして展開してきた「セレクソニック」をTSIのサイトと位置付け、大幅に刷新した。
ファッションECが成長期から成熟期に向かう中、「直営サイトは自社のブランドがもっとも魅力的に見せられるサイトでなくてはいけない」(柏木又浩営業本部Web戦略事業部長)とし、お得なショッピングサイトからの脱皮を図るとともに、ロイヤルカスタマーに向けた発信力を高める。
新生「セレクソニック」では従来よりもボリュームターゲットを5歳以上引き上げて35歳の女性に設定。「大人の女性が安心して買い物できるサイトを目指す」(柏木部長)という。
同社では客数よりも客単価を重視。高単価商品の投入や買い回りの促進などで客単価は従来の1万4000円台から2万2000円以上に引き上げたい考え。
実際、刷新後の「セレクソニック」は展開する38ブランドを客層やテーマに合わせて7つのフロアに分け、買い回りしやすい環境を作った。
クリエイティブ面でもフロアごとの打ち出し方を修正。例えば、カジュアル・ベーシック系のフロアでは日本人モデルを、デザイナーズ系では外国人モデルを起用した。また、モデルの顔出しや、背景に影を入れるかどうかなどでもレスポンスの違いを検証。もっとも消費者に支持される見せ方を見極めていく。
また、従来の「セレクソニック」で強化してきた雑貨など他社ブランドの買い付けや、紙媒体の「SWAK(スワック)」をやめた。一方で、雑誌社のコンデナスト・ジャパンとタッグを組み、「ヴォーグガール」クリエイティブ・ディレクターの軍地彩弓氏を編集長に起用したウェブマガジン「SStyle(エススタイル)」を直営サイトの自社メディアとして4月18日にスタート。通販サイトをメディア化し、毎週、情報を更新することで訪問頻度を高める。
「エススタイル」は雑誌社に企画から任せることで編集力を発揮してもらい、プロのスタイリストがブランドをまたいだコーディネートも提案。SNSの活用もにらみ、「商品画像とコメントの質を高めることが次代のネット販売には不可欠」(柏木部長)とする。
また、今後はウェブマガジン用の商品開発も視野にあるという。
サービス面では、6月に期間限定でシューズとパンツの送料無料、返品・交換無料キャンペーンを実施。顧客ニーズを把握し、将来的には全商品の返品に対応できる体制を整えたい意向だ。
また、ネットとリアルのボーダーレス化が進んでいることを受け、O2O展開にも着手する。まずは今年9月以降、主要3ブランドのブランドサイトにECの機能を実装。ウェブ上の路面店の役割を持たせて、店頭在庫表示や店頭受け取りなどのサービス化を進める。
TSIでは、こうした取り組みでグループの通販売上高を3年間で約66億円上積みし、16年2月期に200億円を目指す。