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凸版メディア 作業効率高める梱包資材を開発

2013年 5月16日 20:08

071.jpg 通販には欠かせない、顧客向けの発送用段ボール箱は、単なる輸送目的の発送箱に思われがちだ。だが、印刷業を展開する凸版メディアは、そこに付加価値を見出している。工夫を重ねたオリジナル設計の発送箱は、事業者の作業効率の向上や顧客の開封時ストレスを軽減できるという。

 現在市場に流通する多くの発送用段ボール箱は、いわゆる"ミカン箱"タイプか、自動で組みあがるワンタッチタイプだ。これらの段ボール箱には、いくつかのマイナス面がある。

 例えば、ミカン箱タイプでは、梱包時のテープを貼る作業が時間のロスにつながり、人件費や資材費用の増加につながる。また、顧客からしても、外観の美粧性が低いため、受け取った瞬間の喜びを感じにくい。開封時にカッターなどの刃物を使う場合も多く、内容物の破損や怪我のリスクもある。

 ワンタッチタイプは、美粧性は高いが、みかん箱タイプと同様に梱包にはテープが使用されており、開封時はカッターを使用する必要があるなど、消費者にとって扱いづらい部分を残す。

 凸版メディアが提案するのは、自動で組みあがるワンタッチ式で、フタの部分に差し込み式ロックを採用した新しいタイプの段ボール箱だ。

 オリジナル設計によって、テープ留めすることなく発送、封かんできるようになっているため、梱包時の作業効率が高まり、同時に資材削減へつながる。強度の高いロック構造となっており、輸送時に商品が破損するリスクもないという。

 また、ミシン目の入ったジッパーから開封でき、刃物が不要であることに加え、テープやシールなどのゴミ分別も行う必要がなく、廃棄時の作業性にも配慮した設計となっている。

 段ボール箱など資材関係の業界は受注生産が主で、価格競争に陥りやすい。だが、凸版メディアでは本社のある青森のほか、関東・関西圏に事業所を持つ協力会社と提携し、取引先の要望に合わせて梱包資材を自在に設計し、顧客満足を高めるよう努力している。

 本業の印刷業を活かし、段ボール箱やパッケージ関連など、リピート商材へのデザイン費は無料で対応。2007年には、従来、スーパーのチラシデザインを行っていた部隊とは別に、デザイン専任の部門を新設した。15人ほどのデザイナーを抱え、デザイン提案にも力を入れている。

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