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アデランス、通販専用商材を展開、女性客の新規開拓を積極化

2013年 1月31日 11:39

アデランス(本社・東京都新宿区、根本信男会長兼社長)が、通販事業に本腰を入れる。これまでヘアサロンで使う専用商材を通販で展開してきたが、昨秋には通販を中心に展開する専用商材の販売を開始。特に複雑な商品体系となっていた女性用では、今後、積極的に広告投資を行って女性客にアプローチしていく。来期(2014年2月期)中には顧客データ管理システムの刷新も予定。購買行動の詳細な分析でCRMを強化していく。

昨年10月に発売したのは、男性用「ヘアリプロ」シリーズ(クレンジング、スカルプシャンプー2種、スカルプコンディショナー、育毛剤、サプリメントの6アイテム、税込2520円~9450円)と、女性用「ベネファージュ ヘアリプロ」シリーズ(クレンジング、シャンプー2種、トリートメント2種、育毛剤、サプリメントの7アイテム、同)。共に医薬部外品。

 アデランスはこれまで専門家のヘアチェックを受けてカウンセリング販売するサロン商材を通販でも展開。サロンに来店しないが商品を愛用する顧客の"流通補完"を想定していたが、例えば育毛剤は女性用を3種、男性用を2種展開するなど、新規客にとっては選びづらいものとなっていた。

 特に商品数の多さから女性客はリーチが難しく、一切広告投資を行わないことも影響して、売り上げに占める女性客の割合もわずか3割に留まっていた。ただ、商品刷新後、女性用商品の月次売上高は前月比3倍弱(昨年12月末時点)にまで伸びており、今後は女性客の新規獲得を積極化させる。

 これまで男性用は新聞やテレビで高いレスポンスが望めないことからネット中心の展開。昨年10月にはCS局で4分程度のCM展開も始めたが、認知拡大と割り切ったものだった。一方、本業であるウィッグビジネスでは新聞やテレビで女性客の高い反響を得ていることから、ネット以外の媒体開拓に力を入れる。新聞広告も検討するほか、2月末をめどに29分のインフォマーシャルをCS局で展開。反応を見てBS局や地上波地方局の展開も視野に入れる。

 通販事業は開始から2年が経過。売上高は非公表だが数億円規模。現在、毎月、前月比を上回る水準で新規客の獲得が続いているという。

 2年目となった昨年は、顧客属性に応じた顧客対応を強化。11月には定期顧客向けに定期以外の商品購入の割引特典を始めたほか、属性に応じた同梱物の展開も始めた。ただ、顧客データ管理システムの限界から購買行動の詳細はまだ分析できていない状況。システムを刷新し、CRM施策を強化していく。

 近年、ウィッグビジネスで採算性を重視した展開を行うアデランスにとって、依然として通販事業への大規模な投資は難しい状況にある。

 ただ、リニューアルした新商材では卸販売ルート開拓など多チャネル展開も検討。販路拡大でCM効果を最大限引き出し、投資回収の時期を早めていくことも計画する。

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