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アスクル  埼玉に物流拠点を新設、「ロハコ」の物流強化へ

2013年 1月17日 14:32

 アスクルは7月、埼玉県内に新たな物流拠点を設置、稼働させる。現状、東日本エリアの物流は都内や横浜の既存拠点で担っているがすでにフル稼働状態となっており、新拠点の稼働で東日本エリアの物流体制を強化する。また、昨年から開始した個人向け通販サイト「LOHACO(ロハコ)」の拠点としても活用し、在庫商品数の拡充を図るほか、初夏にも開始予定の通販事業者を対象とした物流代行事業にも利用したい考え。なお、同拠点は賃貸ではなく、アスクルとしては初めて購入するもので購入額は約150億円となる。「賃貸よりもランニングコストが格段に安くなるため」(同社)としている。

 アスクルが新設する物流拠点は「埼玉物流センター(仮称)」。埼玉県入間郡に設置するもので、建物はRC造3階建て。延床面積は7万2126平方メートルとアスクルが全国に保有する物流拠点の中でも最大規模の広さとなる。同拠点は賃貸ではなく、土地・建物ともにオリックス不動産から買い取る。買取価格は土地(5万5062・47平方メートル)が46億8000万円、建物は105億7000万円で合計152億5000万円となる予定。これに加えてマテハン設備などで40億円の投資を予定している。

 アスクルは全国6カ所に大型物流拠点を保有しているが、これまではすべて賃貸契約だった。拠点を自社で所有するのは今回が初めてとなる。「(購入した方が)賃貸よりもランニングコストを考えると割安。これまでは急成長過程にあったため、あえて固定資産を持たなかったが年商も2000億円を超え、安定してきており、(物流拠点を)買い取ることに決めた」(同社)としている。なお、同拠点の取得日は5月21日を予定し、稼働は7月となる見込み。

 同拠点では最新鋭の設備を導入する。同社によると梱包生産性を従来の10倍まで高められる自動梱包機を導入し省人化を図る。また、段ボール内の商品を計測することによる最適な高さでの自動梱包で緩衝材の削減とガムテープ不要の簡単開封パッケージなどのエコ配送を行えるという。さらにBCP(事業継続計画)対応も考慮し、長時間稼働の非常用自家発電設備を備えた。なお、倉庫内の照明はLEDを採用。また太陽光発電設備を設置(予定)した。

 同センターの稼働で、東日本エリアの物流体制を強化する。現在、東日本エリアは都内や横浜の拠点が担っているがすでにフル稼働状態となっているため、新拠点に一部の担当エリアを移管させる。

 また、昨秋から開始した日用雑貨の個人向け通販サイト「ロハコ」の拠点としても利用し、在庫商品数を拡大。同サイトが関東圏など一部で実施している当日配送の対象商品を倍増させる計画で取扱商品数を増やし「アマゾンを追撃する」(同社)としている。

 さらに同拠点は今夏にも開始予定の資本提携を結ぶヤフーが展開する仮想モールやネット競売の出店・出品者向けに受注から配送まで一括して請け負う物流代行サービス「フルフィルメント事業」にも活用するようで、今後のロングテール化による商材増に耐えうる保管設備・ITシステムの導入を進めていくとしている。

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