郵便サービス利用者に生活情報などを配信している一般社団法人ポスタルくらぶ（事務局・東京都千代田区、永野尚志理事長）の関連会社で、Ｗｅｂサービスや広告・コミュニケーション事業などを手がけるソーシャルサービス（本社・東京都千代田区、白形知津江社長）は今夏から、シニア向けに特化した広告サービス「シニア向け広告・ダイレクトアクセス」を開始した。

　同サービスはポスタルくらぶが、会員向けに発行している定期ＤＭを広告スペースとして活用するもの。同会員は郵便局や郵便貯金サービス利用者が任意で入会したもので、北海道から沖縄まで全国約５００万人以上の規模を有している。構成は男性が44・３％、女性55・７％。年齢は50代以上が約60％、40代以上が75％と中高年・シニア層が大多数を占める。

　定期ＤＭは毎年１回、各会員の入会月に年会費の引き落とし通知案内として送るもので、月平均で30～40万人に届けている。広告スペースとなるのはＤＭに同梱するＡ３サイズの用紙裏表合わせて１枚で、Ａ４サイズ１枚分のスペースが１社分として割り当てられる（最大４社まで）。個別のスペース拡大や各月の配布部数の変更などについては別途対応する予定。１回の掲載料金（印刷費・封入費込み）は各月の部数により変動。１部当たり８円で約２４０～３２０万円が目安となる。

　昨年夏にはトライアウトとして大手食品メーカーがＡ４サイズ１ページに商品を掲載し電話注文などによる販売を受け付けたところ、30万部の発送に対して０・１％に当たる約３００件から注文があったという。ソーシャルサービスは「シニア層で可処分所得の高い会員が中心なのでかなりの優良顧客だと考えている。年齢層から考えても健食などリピート型の商材のニーズが高いのではないか」（白形社長）と説明した。同社では食品や化粧品、雑貨などを取り扱うメーカー・通販企業などを広告出稿企業として想定している。

　商品の注文受け付けについてはソーシャルサービスが行うが、商品購入者の内、許可を得られた会員についてのみ１件につき５００円で広告主に顧客リストとして提供する付帯サービスがある。

　そのほかにも、同社ではアクティブ会員向けに発送している「季刊冊子」でも広告サービスを展開。記事広告や純広告など様々な内容で受け付けている。発送は年４回で、１回当たり10万部。利用料金はＡ４の４色１ページが１２０万円からとなっている。

　また、地域や性別などでセグメントし同会員向けに、商品やサービスを「ポスタルくらぶからのおすすめ」として専用の封書やハガキで紹介・発送する単独ＤＭサービスを実施。料金は１～５万通の場合、封筒１通当たり48円・はがき１通当たり34円に郵送費に加え、セグメント別の抽出費などが掛かる。そのほか会員を対象にしたアンケート送付・回収サービスなども行っている。