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「ECで"定価販売"を支援」――ルビー・グループ 桑野CEOに聞く

2011年 9月22日 18:00

ルビーグループ画像.JPG 会員制ファミリーセールサイトのギルト・グループ日本法人を立ち上げた桑野克己氏が今年1月、ネット販売支援などを手がけるルビー・グループを設立した。ギルトで得た経験を日本のネット販売市場にどう生かしていくのか、今後の取り組みについて聞いた。(聞き手は本紙記者・神崎郁夫)

 ――なぜ新会社を立ち上げたのか。

 「ギルトでは日本にフラッシュセールの市場を作れたが、やりたかったプロパー(定価)販売まではできなかった。いま、日本のファッション販売で伸びているのはアウトレットモールとECだけ。ノウハウを持つECをツールに、ファッションブランドのプロパー消化率を高める手伝いをしたいと思った」

 ――会社の強みは。

 「当社はギルト日本法人の立ち上げメンバーをそろえている。ECのキャリアが豊富で、ネットでブランドの世界観を打ち出すことが得意だ。ギルト時代に培ったCRMの取り組みやブランド品の撮影技術など、売り上げに直結するノウハウを提供できる」

 ――すでに、EC支援事業を受託した。

 「6月に、ニューヨークのブランド『ケイト・スペード』が日本の通販サイトを刷新するのを機に支援業務を受注した。EC売り上げを伸ばす仕組みや、ブランドイメージを重視したサイト設計が評価されたのではないか。消費者にとってはECであっても商品を届けるまでがブランド体験だ。ブランドの手さげ袋に商品を入れる取り組みも始め、刷新後の売り上げは1・5倍になっている」

 ――当該ブランドはサンエー・インターナショナルが日本展開するが。

 「サンエーの『セレクソニック』はモール型で、個々のブランドを立てるのは難しい。今後、ネットを通じた顧客との関係作りはますます重要になる。新しいサイトは米国サイトを日本向けにローカライズして、ブランドの価値観を統一した」

 ――ほかの案件は。

 「『アニヤ・ハインドマーチ』や『アレキサンダー・マックイーン』などハイブランドのEC支援やコンサルティングを行っている」

 ――ハイブランドにこだわる。

 「マス向けのブランドは『ゾゾ』の力が大きい。ただ、ラグジュアリーブランドに関してはギルト時代の販売経験が生きる。カスタマーサポートを含めてECの"肝"を押さえており、勝負できる」

 ――スマホ用のアプリも開発している。

 「ブランドに販売するアプリを自社開発している。iPhoneとアンドロイド端末に対応したテスト用のソフトはできている。スマホのカメラで自身のコーディネートを撮影して友人と共有するアプリで、ブランドのコミュニティーを作ってファンを増やし、ECにつなげるのが目的だ」

 ――将来の展望は。

 「2、3年後にはリテールにも出たい。EC支援するハイブランドを集めたネットモールを運営して、ブランドのEC拡大にもっと貢献したい」

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