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――なぜ新会社を立ち上げたのか。
「ギルトでは日本にフラッシュセールの市場を作れたが、やりたかったプロパー(定価)販売まではできなかった。いま、日本のファッション販売で伸びているのはアウトレットモールとECだけ。ノウハウを持つECをツールに、ファッションブランドのプロパー消化率を高める手伝いをしたいと思った」
――会社の強みは。
「当社はギルト日本法人の立ち上げメンバーをそろえている。ECのキャリアが豊富で、ネットでブランドの世界観を打ち出すことが得意だ。ギルト時代に培ったCRMの取り組みやブランド品の撮影技術など、売り上げに直結するノウハウを提供できる」
――すでに、EC支援事業を受託した。
「6月に、ニューヨークのブランド『ケイト・スペード』が日本の通販サイトを刷新するのを機に支援業務を受注した。EC売り上げを伸ばす仕組みや、ブランドイメージを重視したサイト設計が評価されたのではないか。消費者にとってはECであっても商品を届けるまでがブランド体験だ。ブランドの手さげ袋に商品を入れる取り組みも始め、刷新後の売り上げは1・5倍になっている」
――当該ブランドはサンエー・インターナショナルが日本展開するが。
「サンエーの『セレクソニック』はモール型で、個々のブランドを立てるのは難しい。今後、ネットを通じた顧客との関係作りはますます重要になる。新しいサイトは米国サイトを日本向けにローカライズして、ブランドの価値観を統一した」
――ほかの案件は。
「『アニヤ・ハインドマーチ』や『アレキサンダー・マックイーン』などハイブランドのEC支援やコンサルティングを行っている」
――ハイブランドにこだわる。
「マス向けのブランドは『ゾゾ』の力が大きい。ただ、ラグジュアリーブランドに関してはギルト時代の販売経験が生きる。カスタマーサポートを含めてECの"肝"を押さえており、勝負できる」
――スマホ用のアプリも開発している。
「ブランドに販売するアプリを自社開発している。iPhoneとアンドロイド端末に対応したテスト用のソフトはできている。スマホのカメラで自身のコーディネートを撮影して友人と共有するアプリで、ブランドのコミュニティーを作ってファンを増やし、ECにつなげるのが目的だ」
――将来の展望は。
「2、3年後にはリテールにも出たい。EC支援するハイブランドを集めたネットモールを運営して、ブランドのEC拡大にもっと貢献したい」