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アスクル 上海で半日配送開始、ヤマトグループに物流委託で

2011年 7月28日 17:19

 アスクルが中国・上海で展開中のオフィス用品通販で配送サービスを強化する。従来まで複数の物流業務代行業者に委託していた商品の保管・出荷など配送業務をすべてヤマトグループの現地法人に委託。委託先の一本化で物流関連コストの削減に加え、委託先の物流拠点が上海の中心地に近く、受注から出荷、配送までのリードタイムが短縮できることから、受注後に即日で配送する半日配送を始めた。配送サービスの強化で売上拡大を狙う。

 アスクルの現地法人、愛速客楽(上海)貿易はヤマトグループ傘下の雅瑪多国際物流(YIL)および雅瑪多(中国)運輸(YCT)に商品の保管・出荷業務と宅急便による配送業務を全面委託した。これまでは複数の物流業者を使って商品の保管・出荷作業を行ってきたが、物流関連コストの削減などを図るべく、「物流業務を一括して委託する物流業者を決めるため、コンペを行い、その結果、ヤマトグループさんと組むことを決めた」(岩田社長)という。

 委託先のYCTは今年1月から宅急便事業を開始しており、物流作業を行うYILが上海市内の中心部に近い立地に物流拠点を保有していることなどから短時間で発送、配達できるスキームを整えている。

 今回、アスクルがヤマトグループに配送業務全般を委託したことで、メーカーからの直送品や非在庫品など一部商品を除き、午前11時までの受注分は当日午後6時までに配送する「半日配送」が可能となった。なお、午後5時半までに受けた受注は翌日の午前中までに配送するという。

 「半日配送」は従来からすでに要望があった顧客には先行して実施してきた長寧区、普陀区、盧湾区の3区に加えて、7月18日からは静安区、黄浦区、虹口区、閘北区、楊浦区の5区で開始。8月からは徐匯区、浦東区の2区も追加、8月中には上海市内中心部10区での展開を予定しているという。

 ヤマトグループとの物流業務の連携で配送サービスの向上を図り、中国におけるオフィス用品通販事業の売上高拡大を狙う。

 アスクルでは中国での通販事業の売上高は公開していないが、今回の物流業務の委託先一本化などを含め、コスト構造改革が進んでおり、「あとは売り上げが上がってくれば固定費の吸収も含めて黒字化がすでに見えている状態」(同)としている。

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