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国セン 「葉酸」の商品テスト実施、日健栄協と表示の改善へ

2011年 6月 3日 10:44

 国民生活センターは5月26日、「葉酸」の摂取をうたった健康食品の商品テストを実施した。葉酸は厚労省が妊婦に摂取を推奨する一方で、消費者にとっては適切な摂取量が分かりにくいと判断。テスト結果によると表示されていた1日摂取目安量を摂取した場合、栄養機能食品の上限値を上回る商品があったほか、表示に不備があるものがあった。このため、国センでは日本健康・栄養食品協会と連携し、表示の改善につなげる方針だ。

 今回調査したのは医薬品メーカーやディーエイチシーなどの通販事業者などが販売する「葉酸」を含む栄養機能食品4銘柄と健康食品22銘柄の合計26銘柄。「葉酸」はこれまで機能性が期待できることから学会などで注目されている。また、厚労省でも妊婦に葉酸の積極的な摂取を呼びかけているが、食品に含まれる葉酸は体内で吸収される量が少ないため、吸収率の高い「モノグルタミン酸型の葉酸」を含む健康食品が増加傾向にあるとして調査した。

 商品として問題があったのはネイチャーラボが販売する「MVP葉酸+ヘム鉄」の1銘柄。葉酸の含有量について栄養機能表示基準に定められた許容範囲を超えていた。その他に「栄養機能食品」に必要な表示がない銘柄や、栄養機能食品の上限値を超えているものがあった。

 全銘柄において食品に含まれる葉酸と健食に使用する「モノグルタミン酸型葉酸」との違いに関する記載がなく、また1日の最大摂取量についての記載がなかった。葉酸の過剰摂取で胎児への影響が懸念されることから、消費者に適切な摂取量を守るよう注意喚起を行う必要があるとした。

 消費者庁に対し、摂取の考え方や必要な摂取量などについて情報提供の方法を検討するように要望。さらに、健康増進法上の問題に対し適切な指導を行うよう求めた。

 一方、日本健康・栄養食品協会へは健食に含まれた「モノグルタミン酸型の葉酸」は食事で摂取する葉酸とは異なる旨の説明を明記することなどを要望。国センは日健栄協と連携して事業者へルールに基づいた表示の徹底を促す考えだ。

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