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JODAが申入書でまず撤回を求めているのは、規制仕分けで厚労省が提示した、ネット販売での不適正な医薬品購入や、濫用を目的とした医薬品購入の事例。この中で厚労省は、中国製ダイエット用健康食品に医薬品成分が含まれ健康被害が発生したケース、ネットで麻薬を購入した件数や検挙件数などを挙げているが、正規の許可を受けた薬局・薬店によるものではない事例だ。
これまでの医薬品通販規制の議論は、正規の許可を受けた薬局・薬店の一般用医薬品の通販のあり方に関するものが本筋であるにも関わらず、厚労省は脱法ドラッグの事例など別次元の事例を引き合いに出し、ネットを危険視する主張を繰り返してきた。
厚労省は規制仕分けの場でも、同様の路線を踏襲しようとしたが、蓮舫行政刷新担当大臣が対象外の医薬品を混同するような議論は終結すべきと指摘。これに大塚耕平厚労副大臣も同意するという一幕もあった。これは厚労省側が本筋とは無関係の情報で悪戯にネット販売を危険視してきたことを認めたものと言え、JODA側としては、公の場で示された資料の撤回を求めた形だ。
またJODAは、規制仕分けの場で厚労省側が、「ネット販売を認めることで、開業許可のない人々が薬局を事実上運営するような状況になっては本末転倒」、「ネット上には不明確な情報をもとに医薬品を購入し被害があった場合、厚労省や国だけではなく、インターネットプロバイダーや通信回線事業者など誰が責任を負うのかも議論しなければならない」といった趣旨の発言をしたことについても撤回を要求。ネット販売も店舗販売と同様、適法な薬局等による承認医薬品の販売しか認められていないという事実から意図的に目を逸らさせようとするものとしている。
規制仕分けでは医薬品通販規制について、安全性確保策の設置を前提に規制見直しの方向性を打ち出している。JODAとしては、医薬品ネット販売の再開に向けた今後の議論も視野に入れ、錯綜を招きそうな要因を排除したい狙いもあるようだ。