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楽天が都内でロボット配送開始、無人で運行しスタバや吉野家の商品を配送

2024年11月14日 12:00

 楽天グループは11月6日、自動配送ロボットによる小売店や飲食店の商品配送サービスを、東京都中央区晴海全域、月島と勝どきの一部で開始した。同社が自動配送ロボットによる配送サービスを都内で提供するのは初。自動配送ロボットは人が随行せず、自動走行と遠隔操作で運行する。

 サービス名は「楽天無人配送」。スマートフォン向けの専用サイトを用意。顧客は自動配送ロボットが配送する「スターバックス コーヒー 晴海 トリトンスクエア店」「スーパーマーケット文化堂 月島店」「吉野家 晴海 トリトンスクエア店」の商品を、指定場所で受け取ることができる。

 温かい料理や冷たい飲み物、生鮮・冷凍食品、日用品など5300以上の商品を揃えた。受け取り場所は、晴海周辺のマンションやオフィス、公園などの62カ所。

 同社では自動配送ロボットによる無人配送の事業化に取り組んでおり、実証実験を繰り返してきたほか、2021年3月には国内で初めて自動配送ロボットの公道走行によるスーパーマーケットからの配送サービスを、神奈川県横須賀市で実施。また、期間を限定しない定常サービスに関しては、茨城県つくば市のつくば駅周辺にて22年11月から展開してきた(現在は終了)。

 これまでのサービスは、ロボットに人間が随行していたが、昨年4月に改正道路交通法が施工されたことも踏まえて、ロボットのみの無人配送を展開する。

 サービスエリアは順次拡大していく予定。また、注文できる飲食店・小売店についても、増やしていく計画だ。配送料は100円。年末年始などを除き、夜間や雨天時も含めて無休でサービスを提供する。届け時間は最短30分から最長6日先までの午前10時~午後9時のうち、15分ごとの枠から指定でき、配送中の自動配送ロボットの現在地や到着予定時刻も専用サイトで確認できる。ロボット到着時は、自動音声電話とSMSにより通知される暗証番号を機体の操作パネルに入力することで、商品を受け取れる。

 サービスで使用する機体は、米カートケン社が開発したもので、三菱電機のグループ会社であるメルコモビリティーソリューションズがサービス向けに調整したもの。楽天では、楽天無人配送染料のウェブサイトや関連するシステムを開発、提供している。

 昨年施行された改正道路交通法では、自動配送ロボットが「遠隔操作型小型車」と位置づけられ、公道を走行できるようになった。楽天の無人ソリューション事業部牛嶋裕之ヴァイスジェネラルマネージャーは「自動配送ロボットによる無人配送というものは、非常に追い風が吹いている」と解説。物流業界の人手が不足する中で、ルールが整備されたことが普及の後押しとなっているほか、AIなどの技術革新や画像認識技術の向上により、比較的安価なビジョンセンサーでも安全な自動走行が可能となり、低コストの配送が実現したという。

 サービス提供地域として晴海周辺を選んだ理由は、歩道が整備されており、ロボットが走行しやすいこと、利用が期待できる消費者が多いこと、小売り店が多いこと。ただ「整備されていない道路でもロボットは走行可能であり、提供可能な地域は少なくない」(牛嶋ヴァイスジェネラルマネージャー)ことから、他地域でもサービスを展開していきたい考え。


 
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