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ヤマトグループ、商用車のEV化を支援 事業者の脱炭素化をトータルサポート

2024年10月 3日 12:00

 ヤマトホールディングス子会社のヤマトオートワークス(=YAW)は10月1日から、事業者向けに商用車を電気自動車(EV)に切り替えたり、その運用や計画立案を支援するサービスを開始する。ヤマト運輸がEVを多く運用してきたノウハウを生かし、事業者のEV化や脱炭素化の取り組みをサポートする。事業者の商用車のEV化を進め、2026年度までに同サービスで3000台の電気自動車を導入させたい考え。

 YAWが開始した「EVライフサイクルサービス」は温室効果ガス(GHG)の削減を掲げる企業や当該企業の取引先で商用車を運用する事業者を対象としたもので、車両を使用する事業者の脱炭素目標達成に向け、EV導入や再生エネルギー(再エネ)の活用など最適なGHG削減計画を立案する「GHG削減計画の立案」から、EVや充電器のリース提供と各種補助金の活用支援、導入台数に応じた最適な充電器の設置レイアウトの提案を行う「EV・充電器の導入・運用支援」、YAWの全国72の整備拠点で事業者のEV稼働をとめることなく車両の法定点検、メンテナンス、充電器の定期点検を行う「EV・充電器のメンテナンス」をワンストップで支援する。このほか、ヤマトグループが開発した独自システムを用いて電力使用量の可視化や充電による待機時間の削減、太陽光発電設備・蓄電池との連動を支援する「エネルギーマネジメント」、ヤマトグループが保有する太陽光発電設備由来の電力などの共有を行う「再エネ供給」も25年度末までに開始する。

 「EVの導入台数やGHGの削減目標などによって大きく変わってくるため、申し上げにくい」(同社)として同サービスの具体的な料金設定は明らかにしていない。サービスの申し込みから実際のサービス提供までには「3~4カ月程度」(同)としている。

 EVのリースは芙蓉総合リース傘下のヤマトリースが保有するEVをリースする形で行う。なお、スタート時点でリースに対応するのは軽バンタイプのEVのみとなる。今後は新たな車種・車格の拡大やバッテリータイのリサイクル、交換式バッテリー対応EVの取り扱いなども検討するという。

 脱炭素の潮流は強まり、企業では脱炭素が重要な経営課題となっている。車両を保有する企業では車両の脱炭素化(電動化+再エネ化)が求められているが「多くの企業にとって何からやってようか割らないないというのが正直なところではないか」(金井宏芳社長=写真)とした上で「ヤマトグループでは約2300台のEVトラックを運用しており、EVユーザーとしてこれまで培ってきたことや気づき、例えば『(EVを導入した際に)実際の走行距離はどのくらいになるのか』などの不安や不明点、日常の点検方法など、きめ細かなサービスを含めて企業のGHG削減を一からサポートできることが強み」(金井社長)として、競合サービスとの差別化を打ち出す。

 
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