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PTP オンラインで放送枠販売、通販枠の反応予測値表示で、簡単にバイイング可能に

2024年 8月22日 12:00

 テレビ通販支援サービスなどを行うPTPは9月から、テレビ通販実施企業らが自身のインフォマーシャルを放映したいテレビ局の放送枠をオンライン上で選んで購入できるサービスを開始する。展開中のテレビ通販DXサービス「ordr(オーダー)」で蓄積したデータをもとに、あるジャンルの商材を当該枠でインフォマーシャルを放映した場合、どの程度の反応や売れ行きになるのかという予測値を算出し、通販事業者がそれらを参考に自社のKPIにあった放送枠を簡単に選択、購入できるようにする。

 テレビ通販事業者は従来、取引のある広告代理店が提案する放送枠から、これまで培った「当該枠での売上実績」などの経験値をもとに購入する放送枠を選ばざるを得なかったが、同サービスを介して様々な放送局のより多くの放送枠の中から、反応予測値などを参考に適切な放送枠を購入できるようになる。

 「テレビ通販事業者だけでなく、これからテレビ通販を始めたい事業者らが適切な放送枠を購入しやすくしてテレビ通販市場の活性化に貢献したい」(有吉昌康社長)としている。

 PTPが9月上旬にも本格展開を開始する「ordrマーケットプレイス」は各テレビ局が販売する翌月放送の放送枠(テレビ通販枠)を通販事業者らがオンライン上で選択し、購入手続きができるマーケットプレイスサービス。テレビ通販事業者向けに展開中の「ordr」(地上波、BS、CS局159局の通販番組の情報を収集し、自社の効率の検証や競合の分析などに活用できるサービス)の追加機能として実装するもの。通販事業者側から同機能の利用料は徴収しないが、「ordr」の利用契約(月額20万円~)が必要となる。

 「ordrマーケットプレイス」での取扱放送枠は同サービスに参加する複数の広告代理店の地上波、独立UHF局、BS局、CS局などの買い切り枠(通販用の番組枠をテレビ局から直接購入した専売枠)など。今後は、同サービスでテレビ局が様々な広告代理店経由で販売する、いわゆる「オープン枠」と呼ばれる放送枠も販売したいという。

 通販事業者らが「ordr」の管理画面の上部のタブ「マーケットプレイス」をクリックすると、「ordrマーケットプレイス」の画面に切り替わり、各広告代理店が販売中の翌月放送分の放送枠がテレビ局名や放送尺、放送開始時間、「時代劇」といった前番組のジャンル、販売価格などとともに表示する。

 「ordr」が蓄積してきた実績データをもとに、あるジャンルの商材のインフォマーシャルを放送した場合、どの程度、コールセンターに電話がかかってくるかという予想呼量や、電話受注1件あたりでどの程度の費用がかかるかという予想CPCを放送枠ごとに算出しており、利用者は放送枠の一覧から個別に希望枠を選ぶこともできるほか、予算金額を設定したうえで「予想CPCの低い順」や「予想呼量が多い順」「すでに出稿実績がある放送枠のみ」などの条件に合致する放送枠を絞り込める「シミュレーション機能」も用意する。様々に条件を変えて絞り込んだ放送枠一覧それぞれの結果を比較、検討したうえで購入手続きを行うこともできる。

 シミュレーション機能を活用することで「出稿実績ある枠や指定した前番組ジャンルで優先したり、予測呼量で足切りしたり、様々な条件に従って瞬時に適切な放送枠の絞り込みを行える。予算に合わせて枠の選定をアシストしてくれるので効率の合う枠の選定がバイイング経験の浅い担当者でも簡単にできるようになる」(有吉社長)という。

 購入を決めた放送枠はその後、当該枠を販売する代理店と手続きを行い、従来通りに決済、素材考査などを経て実際の放送に至る流れ。

 通販事業者が「ordrマーケットプレイス」を活用して放送枠を購入する利点について同社では「これまで出会えなかった自社の商品にあった放送枠を購入できる機会になる」(同)とする。従来、通販枠を購入する場合、取引のある広告代理店が販売する放送枠の中から選ぶしかなかったが、「世の中にはもっと多くの様々なテレビ局の放送枠がある。選択肢を広げて自社商品にとってよりよい放送枠を購入できるようになるはず」(同)とする。

 加えて、「これまで広告代理店が提示するExcel(エクセル)に記載された販売予定の放送枠リストを加工して時間をかけて購入放送枠を選定する必要があった」(有吉社長)が、予測呼量など様々な条件で放送枠を簡単に選定でき、オンライン上で購入手続きができるようになることによって「バイイング業務の時間短縮にもつながるばかりか、代理店によってフォーマットの異なるリストを見やすいように加工、転記することによるミスや連絡・共有ミスもなくなる」(同)ほか、「経営幹部と現場担当者の情報共有が容易になり、バイイングのプロセスを振り返ることができるようになり、投資対効果の改善にもつながる」(同)という。

 9月上旬からの「ordr」の顧客への提供開始後も順次、参加する広告代理店やテレビ局を増やして同サービスを介して購入可能な放送枠を増やしていく。広告代理店にとっても、「新規の営業機会の獲得ができ、さらにオンライン上の取引なので顧客獲得後の営業効率も高いので参加するメリットは大きい」(同)という。

 今後、インフォマーシャル映像のテレビ局の考査についても「ordr」上で通販事業者、広告代理店、テレビ局間でのデータのやり取りで完結できるような仕組みについても取り組んでいくという。そこまで実現して、将来的には、バイイングから実放送までのトータルリードタイムが圧縮できることで、タイムリーにインフォマーシャルを放映できるようになり、テレビ通販の拡販効果が高まるといったメリットも生まれるという。

 「ECに押されている感があるテレビ通販であるが、放送枠のバイイング支援を含め、テレビ通販にチャレンジしやすい環境をITによって整えて市場の活性化や新陳代謝促進に貢献してテレビ通販を盛り上げていきたい」(有吉社長)とする。
 
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