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「紅麹コレステヘルプ」など3製品の回収費用、原料供給先の回収費用、被害者の医療費負担で36億4800万円を計上した。大阪工場から和歌山工場への製造設備の移設後、紅麹の製造設備は稼働しておらず、減損損失2億1300万円も計上した。「現時点で合理的に算出可能な額」(同社)とする。
第1四半期の売上高は、ヘルスケア事業が前年同期比10・6%増の155億1900万円、通販事業が同16・0%減の16億800万円。4月単月では、通販事業の売上高が同34%減、それ以外の事業の売上高が同8%減(流通在庫を含む出荷ベース)としている。
小林製薬製造の「紅麹」による健康被害問題の影響は、健康食品業界全体にも広がっている。ファンケルは、小林製薬社製ではないものの、「紅麹」を配合した機能性表示食品を販売していた。業績への影響は、「4億円程度にとどまる」(25年3月期)と見込む。自主回収以降、問い合わせや定期解約が増加したが、4月下旬以降、沈静化しているという。新日本製薬は、紅麹を使用した製品はないが、関連の影響による損失を「約7000万円」(24年9月期)とみている。小林製薬製造の「紅麹」を着色目的でスパークリング日本酒に配合していた宝ホールディングスは、今年3月に自主回収を公表。前期(24年3月期)に8200万円の特別損失を計上した。
小林製薬は、取引先に対応を要請しているが、原料の供給先225社のうち、回収公表は20社ほどにとどまる(自社サイト、本紙集計主計)。同社は、昨年7月以降に製品購入し、回収3製品と腎疾患など症状の関連性が疑われる顧客の医療費や交通費を負担する。
4月26日には、一連の対応の事後検証に向け、利害関係のある取締役を除く社外取締役4人で(1)症例報告後の経過、(2)内部統制システム、品質管理体制の運用、(3)食品衛生法など関連法規制の適合性、(4)公表時期の是非――を調査・検証する。とくに(1)、(2)は、弁護士資格を持つ専門家による事実検証委員会を設置する。
第1四半期の連結売上高は同9・0%増の364億8500万円、営業利益は同0・6%減の50億2800万円、純利益は同72・9%減の9億7600万円だった。