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ゾゾは昨年11月に同社最大規模の物流拠点「ZOZOBASEつくば3」(13万7000平方メートル)の本格稼働を開始したばかりだ。
同拠点の完成によって商品取扱高7000億円(※2024年3月期の取扱高は5808億円を計画)まで対応可能としていたが、取引先ブランドからの在庫供給増加と暖冬影響による在庫回転率の悪化に伴って物流拠点の作業効率が低下していることから、在庫保管に特化した倉庫を借りることになった。
同社によると、暖冬影響による物量増は比較的一過性のものだが、ブランドから預かる商品のうち、シーズンをまたぐようなキャリー在庫が想定よりも増えていることが継続的な問題だという。
各ブランドとは事前に話し合った上で在庫投入量を決めているものの、委託販売のため当初計画よりも多くの在庫を投入するブランドもあり、想定通りにはいかないようだ。
コロナ以前に比べて、ブランド側は生産量自体を絞っているが、今冬は暖冬の影響から実店舗が苦戦しており、その分、「ゾゾタウン」への期待値が上がって在庫投入量が増加したと見ている。ただ、「ゾゾタウン」でも重衣料の販売が想定よりも振るわないという悪循環が起こったことで、在庫回転率の悪化につながっている。
そのため、第3四半期(10~12月)の人件費に占める物流関連費の対商品取扱高比率は前年同期に比べて0・5ポイント増となる3・6%に上昇。当該期の営業利益が若干の計画未達となった要因にもなっている。
新拠点は在庫保管に特化した倉庫のため、「つくば3」のような最新鋭で高額のマテハン機器を導入する必要はなく、賃借料は年間8億~10億円程度、減価償却費は同1億円程度を見込んでいるという。
ゾゾでは、新倉庫の活用で作業効率の改善を図るとともに、ブランドとの預かり在庫のクオリティー向上を目的とした対話を強化するとしている。
一方の配送面では、ヤマト運輸による配送費用の値上げについて、コスト上昇や2024年問題への対応の必要性もあって受け入れることを決め、4月から値上げになるという。値上げ幅は非開示。
ゾゾでは、収益性を維持するために自社努力による他コストの削減に加え、同一ユーザーの複数注文を1件の配送とする「ゆっくり配送」を導入する計画で、3月からテスト運用を開始する予定のほか、「ゾゾタウン」の送料ポリシー変更についても検討していくとする。