越境EC支援サービスを手がけるビーノスでは今年度より、海外でのリアルな売り場を活用した企業のプロモーション支援を強化している。ウェブだけでは届かなかった層にも分かりやすくリーチできるもので、国内では無名なブランドであってもやり方次第では大きな成果につながる事例が出ているようだ。
同社グループでは、この秋までに海外向け購入支援サービスの「Buyee(バイイー)」や、「Buyee Connect(バイイーコネクト)」などを通じた、日本国内企業の越境EC支援実績数が累計で5000件を突破。とりわけ、日本企業の海外向けの販促支援については、現地の著名なインフルエンサーなどを起用したマーケティングメニューも取り入れていたという。
しかし、近年は競合となる各国の企業との間で人気のインフルエンサーの取り合いが過熱。それに伴い、広告単価が上昇傾向にあったという。そこで、現地でのリアルの売り場などを活用した低コストのマーケティングに着目。既存のSNSによるウェブマーケティングとも組み合わせながら流通を伸ばすことを再度強化したいと考えている。
もともとはコロナ以前に始めたもので、一時期は感染対策の影響もあって控えていたが、今では世界的に感染状況が落ち着いてきたこともあり、再び注目して取り組むようになっている。
具体的には、日本でも行われているような大型ショッピングセンターや百貨店での催事のように、集客が期待できる現地の売り場の一角を借りて、ポップアップストアを開くというもの。
以前に台湾の百貨店で行ったものでは、動物のキャラクターを使った独自の雑貨ブランドの販売事例がある。国内ではまだそこまでの大きな認知がなかったデザイナーと一緒になって作ったもので、若年層に向けた携帯ケースやコスメなどを展示して販売。数メートル四方のスペースを使った小規模な展開だったものの、独自性のある商品で、来場者からは評価を得ることができ、1カ月で数百万円を売り上げた。当該百貨店の催事としては歴代で2位の売り上げを記録したという。「かわいいポップなデザインが出てきて、『これは何だろう』と、面白くてかわいいから思わず買ってしまうという衝動買いの感覚でどんどん売れていったようだ」(直井聖太社長兼グループCEO)と振り返る。
越境ECで独自商品を販売する場合、ウェブ上ではどのように現地のユーザーが反応するかが読めない点もある。
そのため、まずはコストやリスクを少なく小規模にリアルで展開することで、自社の商品が現地の消費者にマッチするかどうかを読み取ることが重要になる。そこで来店者とのコミュニケーションも踏まえて、商品企画やラインアップを調整し直して、越境ECに改めて挑戦することで成果を高めることができるというのだ。
実際に、前述の企業の場合、百貨店の売り場において越境ECでも同商品を販売しているというアナウンスも行ったことで、その後のウェブでの販売成果にもつながったようだ。
◇
なお、同取り組みにおけるターゲットとしては、台湾をはじめとしたアジアやシンガポールなどのASEAN、米国などを想定している。
また、日本の伝統工芸品が中東でも人気が高まっているということから、さらに範囲を広げていくことも想定する。高額商品であっても、そのクオリティの高さを現地の消費者が実際に目で見られる機会をリアルで提供し、あわせて、製造までのストーリーも分かりやすく伝えることで、成功率が高まるとの見方を示した。
同社グループでは、この秋までに海外向け購入支援サービスの「Buyee(バイイー)」や、「Buyee Connect(バイイーコネクト)」などを通じた、日本国内企業の越境EC支援実績数が累計で5000件を突破。とりわけ、日本企業の海外向けの販促支援については、現地の著名なインフルエンサーなどを起用したマーケティングメニューも取り入れていたという。
しかし、近年は競合となる各国の企業との間で人気のインフルエンサーの取り合いが過熱。それに伴い、広告単価が上昇傾向にあったという。そこで、現地でのリアルの売り場などを活用した低コストのマーケティングに着目。既存のSNSによるウェブマーケティングとも組み合わせながら流通を伸ばすことを再度強化したいと考えている。
もともとはコロナ以前に始めたもので、一時期は感染対策の影響もあって控えていたが、今では世界的に感染状況が落ち着いてきたこともあり、再び注目して取り組むようになっている。
具体的には、日本でも行われているような大型ショッピングセンターや百貨店での催事のように、集客が期待できる現地の売り場の一角を借りて、ポップアップストアを開くというもの。
以前に台湾の百貨店で行ったものでは、動物のキャラクターを使った独自の雑貨ブランドの販売事例がある。国内ではまだそこまでの大きな認知がなかったデザイナーと一緒になって作ったもので、若年層に向けた携帯ケースやコスメなどを展示して販売。数メートル四方のスペースを使った小規模な展開だったものの、独自性のある商品で、来場者からは評価を得ることができ、1カ月で数百万円を売り上げた。当該百貨店の催事としては歴代で2位の売り上げを記録したという。「かわいいポップなデザインが出てきて、『これは何だろう』と、面白くてかわいいから思わず買ってしまうという衝動買いの感覚でどんどん売れていったようだ」(直井聖太社長兼グループCEO)と振り返る。
越境ECで独自商品を販売する場合、ウェブ上ではどのように現地のユーザーが反応するかが読めない点もある。
そのため、まずはコストやリスクを少なく小規模にリアルで展開することで、自社の商品が現地の消費者にマッチするかどうかを読み取ることが重要になる。そこで来店者とのコミュニケーションも踏まえて、商品企画やラインアップを調整し直して、越境ECに改めて挑戦することで成果を高めることができるというのだ。
実際に、前述の企業の場合、百貨店の売り場において越境ECでも同商品を販売しているというアナウンスも行ったことで、その後のウェブでの販売成果にもつながったようだ。
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なお、同取り組みにおけるターゲットとしては、台湾をはじめとしたアジアやシンガポールなどのASEAN、米国などを想定している。
また、日本の伝統工芸品が中東でも人気が高まっているということから、さらに範囲を広げていくことも想定する。高額商品であっても、そのクオリティの高さを現地の消費者が実際に目で見られる機会をリアルで提供し、あわせて、製造までのストーリーも分かりやすく伝えることで、成功率が高まるとの見方を示した。