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アスクル 「廃棄品、減らしたい」、イベントの来場者に破損品購入の意識調査、再販テストに向け

2023年11月 2日 12:00

 「中身に問題はないが外装の一部が破損しているために廃棄する商品がある。お客様の『許容範囲』を伺いなるべく再販して廃棄を減らしたい」――。アスクルは10月29日、三井不動産が運営する千葉・船橋市内の物流施設「MFLP船橋」の敷地内で開催した同施設のテナント企業や近隣事業者らが参加した地域イベント「MFLP船橋プレミアムフェスタ2023」で外装箱や容器が破れたり、へこんで販売できない商品などを来場者にサンプル品として配布する取り組みを行った。

 アスクルは顧客からの返品商品や他の物流拠点で庫内作業中に破損した商品、出荷期限が超過した商品などを集約して再販可能か否かの判断や検品を行い、再販のための処理や廃棄、出荷業務などを行う拠点を従来の東京・江東区内の施設から「MFLP船橋」の一角に移転、新たに「サステナブルセンター」として今年5月から稼働を始めたことから、今回のイベントへの初参加を決めたという。

 会場ではアスクルが販売する売れ筋のプライべートブランド商品などを展示・紹介する「アスクルブース」と子会社で配送業務を行うASKUL LOGIST(アスクルロジスト)がラジコンのフォークリフトを操作してゴールを目指す「ロジストサーキット」やおもちゃのアームによる菓子のつかみ取りなど子供向けの催しを行う「アスクルロジストブース」の2つのブースを出展してアスクルの商品やサービスをPRした。

 あわせて「お客様の声を聞かせてください」というQRコードを表示したポスターを掲示し、来場者を専用フォームに導いて「廃棄に関する意識調査」と題したアンケート調査を行った。

 同アンケートではビニール包装がない、および箱がつぶれたティッシュペーパーや本体の缶に凹みがある消臭スプレー、箱は開封済だが個包装袋は未開封で未使用の個包装マスク、箱や包装がない乾電池、角落ちのある、および外装袋が破けたA4コピー用紙、表紙の折れたノート、外装袋が破れたゴミ袋(30枚入り)、本来は10巻セットで販売しているが、5巻分のセロハンテープなど一部が破損、外装がない、本来の数量に満たない商品など同社の現在の基準では廃棄処分としている10事例について商品の状態の画像を提示しながら「価格が何%OFFであれば購入を検討しますか?」として、「値引きの必要なし」から10・30・50・70・90%OFFと割引率を変えたもの、「値引きがあっても購入しない」「購入はしないが、キャンペーン等で配布しているなら欲しい」という選択肢の中から、選択するという内容。なお、回答者には一部の破損で廃棄処分なっているティッシュペーパーやペーパータオル、付箋などをサンプル品としてプレゼントした。

 「当社では目標として廃棄物をなくす『廃棄ゼロチャレンジ』を掲げ、サステナブルセンターを軸とした資源循環のスキームも構築しており、なるべく再販できる商品を増やしてきたが、現状の基準では廃棄せざるを得ない商品がある。廃棄をゼロに近づけていくためにはさらに踏み込んでいく必要がある。来場者にどの状態の商品がどの程度の価格であれば買いたいかという『許容範囲』を伺いたかった。それらをもとに現状の基準では廃棄しているものであっても、販売できそうなものは品質管理部門とコンセンサスをとって、お客様にも説明した上でテスト的に今後販売していきたい」(ロジスティクス本部センターマネジメントリバースロジスティクス部長の山内新太氏=写真㊦)とした。

 ブースではこのほか、同社の子会社の嬬恋銘水が製造販売するミネラルウォーター「ロハコウォーター」でペットボトルの成形不良で中身は問題ないものの廃棄処分している、いわゆるロス品をサンプル品として配布する取り組みなども行った。
 
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