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有力メーカーの通販戦略「サンエー・インターナショナル」 無店舗販売を強化、ネット中心に3年で65億円

2010年10月28日 19:17

111.jpg  アパレル大手のサンエー・インターナショナルは、無店舗販売事業を強化する。9月には、自社通販サイトでコスメの仕入れ販売を開始するなど、"サンエー流"のライフスタイル提案に乗り出した。また、ネットをメーンの販売チャネルとする自社ブランドの育成を進めるほか、テレビ通販への露出機会を増やすことなどで、スタートした3カ年計画の最終年度(2013年8月期)には無店舗販売で10年8月期の45億円に対し65億円を目指す。

 同社は、小売市場でのチャネルシフトに対応し、無店舗事業を強化。一環として、9月末から自社通販サイト「セレクソニック」内にオーガニック商品などを集めたサイト「セレクソニックスーパーストア」を開設した。

 新サイトは、自然派コスメなどを扱う「ビューティー」、ジュエリーなどの「グッズ」、デザイン家電やペット関連グッズなどを扱う「ホーム」の3カテゴリー約30ブランドでスタート。ファッションアイテム以外にも領域を広げた格好だが、「当社の顧客に使ってもらいたい商品を丁寧に販売していく売り場」(安藤慎一郎EC戦略事業部長)とし、服以外のライフスタイル提案につなげる。

 また、業容拡大の一歩を踏み出した「セレクソニック」では、09年2月に創刊した季節誌「SWAK(スワック)」とのクロスメディア展開を強化。新サイトの開設と同時に発刊した最新号では、オーガニックコスメをクローズアップ。ウェブ上では伝えきれない情報を補えるよう、Q&Aでオーガニックコスメを理解できるようにした。

 また、サンエーでは自社ブランドの商品をネット中心に販売する「無店舗製造小売」のビジネスを育成する。一環として、今秋冬シーズンには、おしゃれな下着を好むF1層をターゲットにしたブランド「ビアンチェリ チュチュ」を立ち上げた。

 同社では、下着類はネット販売との相性が良いと判断。一度使ってもらうことで抵抗感をなくしたいとして、「セレクソニック」の女性客2万人に対し、購入商品に同ブランドのフリーサイズ商品を同梱して送るなどの施策を実施している。

 一方、1年前に開始したジュピターショップチャンネルを通じてのテレビ通販は、主要ブランドに対象を拡大。店頭で販売する前の商品を先行販売し、売れ残っても実店舗で販売できるようにすることで、在庫リスクを軽減する。今後、主力ブランドはシーズンごとに放映できる体制を整える。

 なお、同社は来年6月にアパレルの東京スタイルとの経営統合を計画。同社はQVCでテレビ通販専用ブランドを展開しており、今後は、両社の強みを生かして多様化する販売チャネルに合わせた無店舗販売の事業モデルを確立する。
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