楽天グループでは、仮想モール「楽天市場」出店者向けのクーポンサービス「ラ・クーポン」を来年4月から有料化する。コロナ禍を受けて、急速にクーポンの利用が増え、クーポン関連のシステムへの負荷が高まっているのが要因。楽天市場ではラ・クーポンの開始以降、店舗のクーポン利用料を無料とするキャンペーンが続いていた。今後はクーポンの機能を強化することで、店舗とユーザーにとって、より使い勝手の良いサービスにしていくという。
8月2日、「楽天オプティミズム2023」で行われた出店者向けイベント「2023年下期戦略共有会」において、松村亮常務執行役員コマース&マーケティングカンパニーシニアヴァイスプレジデントが明らかにした。
同社によれば、2013年と比較すると、楽天市場においてクーポンを利用した受注数は約20倍になっているという。安定的にサービスを提供し続けるためにも、さらなる投資が必要と判断し、来年3月末での無料キャンペーン終了を決めた。
発行したクーポンをユーザーが利用した場合、値引き後の金額に対して、2%をシステム利用料として徴収することが規約で定められている。ただ、この料金体系では店舗の負担がかなり重くなることから、今月末にも新たな料金を、店舗向けサポートニュースで発表する予定。例えばアマゾンの場合、クーポンが利用された場合に出店者が支払う利用料は、1回あたり60円となっている。注文額をベースにするか、1回あたりの固定料金にするかなど、詳細はこれから決めるという。
同社によれば、ラ・クーポンは、ファッションやグルメジャンルの店舗などが多く利用している。ポイントは20倍までしか付与できないことから、半額の値引きセールなどを行いたい場合にクーポンが使われるという。
今後の機能強化としては、まずユーザーセグメントの機能を拡張する。現状は楽天の会員ランクを指定したクーポンを発行できるが、それ以外のセグメントはできない。新規ユーザーだけが使えるクーポンや、リピーターだけが使えるクーポン、性別を限定したクーポン、誕生日のユーザーのみ使えるクーポンなどを発行できるようにする。
また、クーポンが利用できる商品の指定数を拡大するほか、クーポン発行後にユーザーから見えなくする設定を可能にするなど、機能を拡充する予定。
さらにユーザー向けサービスとしては、楽天市場などのクーポンをワンタップで獲得できるサイト「わくわくクーポンランド」を7月に立ち上げており、楽天市場からの導線を強化することで、クーポンの獲得を促す。
松村常務執行役員は「クーポンの機能をもっと充実させることで、店舗にとっても、ユーザーにとっても、使いやすいものに進化させていきたい」と述べた。
戦略共有会では、配送関連の新機能も発表された。2024年問題も見据えて、6月に最短配送可能日の表示を開始。購買転換率が13%改善した。8月3日には買い物カゴの仕様を変更し、ユーザー自身が届く日時を選ぶ仕組みとした。また来年以降には、配送を急いでいない顧客向けにはポイントを余分に付与する「急がない便(仮称)」の提供も検討している。
来年6月には、配送品質が高い商品を優遇する仕組みとして、基準を満たした商品に「配送認定ラベル」を付与する「配送品質向上制度」を開始。楽天市場内商品検索の検索順位決定の要素の一つに含めることを予定している。認定基準については、店舗基準が「納期順守率96%以上」「6日以内の配送件数比率80%以上」「出荷件数が月に100件以上」「送料込みライン導入」、商品基準が「いつでも出荷可能(年末年始と月1回の休業日除く)」「午前の注文については翌日届けを、午後の注文については翌々日届けを可能にする(土日祝日は午前9時までの注文を翌日届け、午前9時以降の注文を翌々日届け)」「日付指定可能」となっている。
4月に導入した、SKU対応による商品管理については、7月現在で51%の店舗が対応。来年3月までには移行を完了する予定だ。
SKUへの移行により「商品検索がやりやすくなるほか、商品ページも価格別表示ができるようになるなど、ユーザーの買い物体験が向上する。すでに1万ページ以上の商品ページが対応しており、ユーザーからも『使いやすくなった』という声をもらっている」(松村常務執行役員)。
近年注力しているライブコマースに関しては、ファッションや化粧品で成功事例が積み上がっているという。松村常務執行役員は「こうした事例を横展開しながら、楽天市場全体の売り上げ規模増加、売り方の多様化を推進していきたい」と述べた。
8月2日、「楽天オプティミズム2023」で行われた出店者向けイベント「2023年下期戦略共有会」において、松村亮常務執行役員コマース&マーケティングカンパニーシニアヴァイスプレジデントが明らかにした。
同社によれば、2013年と比較すると、楽天市場においてクーポンを利用した受注数は約20倍になっているという。安定的にサービスを提供し続けるためにも、さらなる投資が必要と判断し、来年3月末での無料キャンペーン終了を決めた。
発行したクーポンをユーザーが利用した場合、値引き後の金額に対して、2%をシステム利用料として徴収することが規約で定められている。ただ、この料金体系では店舗の負担がかなり重くなることから、今月末にも新たな料金を、店舗向けサポートニュースで発表する予定。例えばアマゾンの場合、クーポンが利用された場合に出店者が支払う利用料は、1回あたり60円となっている。注文額をベースにするか、1回あたりの固定料金にするかなど、詳細はこれから決めるという。
同社によれば、ラ・クーポンは、ファッションやグルメジャンルの店舗などが多く利用している。ポイントは20倍までしか付与できないことから、半額の値引きセールなどを行いたい場合にクーポンが使われるという。
今後の機能強化としては、まずユーザーセグメントの機能を拡張する。現状は楽天の会員ランクを指定したクーポンを発行できるが、それ以外のセグメントはできない。新規ユーザーだけが使えるクーポンや、リピーターだけが使えるクーポン、性別を限定したクーポン、誕生日のユーザーのみ使えるクーポンなどを発行できるようにする。
また、クーポンが利用できる商品の指定数を拡大するほか、クーポン発行後にユーザーから見えなくする設定を可能にするなど、機能を拡充する予定。
さらにユーザー向けサービスとしては、楽天市場などのクーポンをワンタップで獲得できるサイト「わくわくクーポンランド」を7月に立ち上げており、楽天市場からの導線を強化することで、クーポンの獲得を促す。
松村常務執行役員は「クーポンの機能をもっと充実させることで、店舗にとっても、ユーザーにとっても、使いやすいものに進化させていきたい」と述べた。
戦略共有会では、配送関連の新機能も発表された。2024年問題も見据えて、6月に最短配送可能日の表示を開始。購買転換率が13%改善した。8月3日には買い物カゴの仕様を変更し、ユーザー自身が届く日時を選ぶ仕組みとした。また来年以降には、配送を急いでいない顧客向けにはポイントを余分に付与する「急がない便(仮称)」の提供も検討している。
来年6月には、配送品質が高い商品を優遇する仕組みとして、基準を満たした商品に「配送認定ラベル」を付与する「配送品質向上制度」を開始。楽天市場内商品検索の検索順位決定の要素の一つに含めることを予定している。認定基準については、店舗基準が「納期順守率96%以上」「6日以内の配送件数比率80%以上」「出荷件数が月に100件以上」「送料込みライン導入」、商品基準が「いつでも出荷可能(年末年始と月1回の休業日除く)」「午前の注文については翌日届けを、午後の注文については翌々日届けを可能にする(土日祝日は午前9時までの注文を翌日届け、午前9時以降の注文を翌々日届け)」「日付指定可能」となっている。
4月に導入した、SKU対応による商品管理については、7月現在で51%の店舗が対応。来年3月までには移行を完了する予定だ。
SKUへの移行により「商品検索がやりやすくなるほか、商品ページも価格別表示ができるようになるなど、ユーザーの買い物体験が向上する。すでに1万ページ以上の商品ページが対応しており、ユーザーからも『使いやすくなった』という声をもらっている」(松村常務執行役員)。
近年注力しているライブコマースに関しては、ファッションや化粧品で成功事例が積み上がっているという。松村常務執行役員は「こうした事例を横展開しながら、楽天市場全体の売り上げ規模増加、売り方の多様化を推進していきたい」と述べた。