通販企業向けにダイレクトマーケティング支援を行うファインドスターグループのスタートアジア(台北市)では、日本企業の海外進出を支援しており、海外で売れる要素を徹底分析した精度の高い商品企画開発にも力を入れている。従来から得意としてきたマルチチャネルでのマーケティング・販売支援策とも組み合わせた成功事例などについて代表の藤原徹平董事長に聞いた。
――現在手がけている支援内容について。
「クライアントは8~9割が日系企業で、約10年間で50社以上の支援実績がある。主に健食や化粧品のメーカーがアジア進出する際の事業構築やマーケティング、売り上げ・在庫管理など全ての業務を一貫支援している。販路についても台湾、シンガポール、マレーシア、香港などを対象に、自社ECや仮想モール、リアルのリテールといったマルチチャネルで行っている」
――海外で商品を販売する上での課題は。
「1つは輸入規制。輸入できない成分があるというだけでなく、中にはスキンケアやサプリなどの成分申請の認可に2年以上かかる国もある。2つ目が関税。当然、商品価格に転嫁する必要があるため、関税の分だけ値段が高くなるということ。3つ目が日本での販売価格を守りたいがゆえに現地での適正価格を設定できないこと。特に価格については『4000円の壁』があり、これを上回るとアジア各国では売れにくくなる」
――ではどうした商品が支持を得るのか。
「例えば日本のスキンケア商品では美白、保湿、アンチエイジングに対する効果への期待が高い。分かりやすい成分を持つ商品ほど、アジアでの成功確率が高くなることが長年の経験で分かっている。そのため、前述の成分の輸入規制や価格の問題を解消すべく、現地のOEM工場と提携し、現地生産ができる体制を構築している。さらに、商品そのもののコンセプト設計から容器・広告のデザイン、販売シミュレーションの構築などを全て当社で行うようになった」
――具体的な成功事例としては。
「台湾での事例として、酵素商品は代謝が良いという明確な訴求がある一方で、発酵に使われている果物などの原材料を輸入時には全て申請する必要がある。中には現地での販売に規制のかかる成分もあったため、台湾で展開できる成分だけを使って現地のOEM工場に一から製造を依頼した。『酵素』という打ち出し方を維持しつつ、価格も3000円台に設定して販売したところ数千個が2カ月で完売し、追加生産を重ねる状況となった」
――現地に信頼できるOEM先がある。
「4000円を切る売価が大事であるように、原価も重要。売価に対して15~18%以内に収まるように原価やロットを交渉しながらコストコントロールができるOEM先を開拓している。この3年間、複数の企業で10商品ほど同様の仕組みで商品開発したが、全てヒットした」
――現地のOEM工場に依頼することに対して、クライアント企業からの抵抗は。
「当然、そのOEM先がどういった会社であるかの情報や、製造に関わる全ての原価や当社への企画マージンも開示している。そして、中には消費者への健康被害などを懸念される場合もある。そのため、当社が商品PL保険に加入して、もしも販売した商品に瑕疵が発生した場合は、我々が全責任を負う契約となっている」
――販売面での工夫は。
「もはや通販だけで売ることを考えるのではなく、アジア各国の全ての販路で売れるような商品開発をしている。一例としてコラーゲン商品であれば、箱のデザインにスティックの粉末タイプであることを画像で分かりやすく掲載し、加えて容量や規格まで研究して設計することで、店頭でも売れる商品設計にした」
――健食・化粧品の海外展開で成功した企業に共通していることは。
「(企業側の主導で開発した)プロダクトアウト型の商品よりも、アジアの人にとって適正価格で、かつ輸入での障害がなく、効果・効能がイメージしやすい成分を使っているということ。そのため、ここ数年はマーケットイン型で開発した商品の成功確率が高い」
――今後の展望について。
「成功確率が高いというファクトがあるので、今後も1年間あれば12案件は成功するような成果を出したい。また、今は台湾がメインだが、OEM先に関してはマレーシア、タイ、ベトナムでも開拓している最中。厳しい輸入規制を受けずに現地で商品を製造できるOEM先を各国で確保していく。そのほかにもコスメの容器は韓国が強いため、OEM先に丸投げするのではなく、売れる容器を当社が韓国まで調達しに行くことも行う計画。
今は円安が進んでいるトレンドがある。日本企業がコストを抑えて海外に進出できる最良のタイミングだと捉えている」
――現在手がけている支援内容について。
「クライアントは8~9割が日系企業で、約10年間で50社以上の支援実績がある。主に健食や化粧品のメーカーがアジア進出する際の事業構築やマーケティング、売り上げ・在庫管理など全ての業務を一貫支援している。販路についても台湾、シンガポール、マレーシア、香港などを対象に、自社ECや仮想モール、リアルのリテールといったマルチチャネルで行っている」
――海外で商品を販売する上での課題は。
「1つは輸入規制。輸入できない成分があるというだけでなく、中にはスキンケアやサプリなどの成分申請の認可に2年以上かかる国もある。2つ目が関税。当然、商品価格に転嫁する必要があるため、関税の分だけ値段が高くなるということ。3つ目が日本での販売価格を守りたいがゆえに現地での適正価格を設定できないこと。特に価格については『4000円の壁』があり、これを上回るとアジア各国では売れにくくなる」
――ではどうした商品が支持を得るのか。
「例えば日本のスキンケア商品では美白、保湿、アンチエイジングに対する効果への期待が高い。分かりやすい成分を持つ商品ほど、アジアでの成功確率が高くなることが長年の経験で分かっている。そのため、前述の成分の輸入規制や価格の問題を解消すべく、現地のOEM工場と提携し、現地生産ができる体制を構築している。さらに、商品そのもののコンセプト設計から容器・広告のデザイン、販売シミュレーションの構築などを全て当社で行うようになった」
――具体的な成功事例としては。
「台湾での事例として、酵素商品は代謝が良いという明確な訴求がある一方で、発酵に使われている果物などの原材料を輸入時には全て申請する必要がある。中には現地での販売に規制のかかる成分もあったため、台湾で展開できる成分だけを使って現地のOEM工場に一から製造を依頼した。『酵素』という打ち出し方を維持しつつ、価格も3000円台に設定して販売したところ数千個が2カ月で完売し、追加生産を重ねる状況となった」
――現地に信頼できるOEM先がある。
「4000円を切る売価が大事であるように、原価も重要。売価に対して15~18%以内に収まるように原価やロットを交渉しながらコストコントロールができるOEM先を開拓している。この3年間、複数の企業で10商品ほど同様の仕組みで商品開発したが、全てヒットした」
――現地のOEM工場に依頼することに対して、クライアント企業からの抵抗は。
「当然、そのOEM先がどういった会社であるかの情報や、製造に関わる全ての原価や当社への企画マージンも開示している。そして、中には消費者への健康被害などを懸念される場合もある。そのため、当社が商品PL保険に加入して、もしも販売した商品に瑕疵が発生した場合は、我々が全責任を負う契約となっている」
――販売面での工夫は。
「もはや通販だけで売ることを考えるのではなく、アジア各国の全ての販路で売れるような商品開発をしている。一例としてコラーゲン商品であれば、箱のデザインにスティックの粉末タイプであることを画像で分かりやすく掲載し、加えて容量や規格まで研究して設計することで、店頭でも売れる商品設計にした」
――健食・化粧品の海外展開で成功した企業に共通していることは。
「(企業側の主導で開発した)プロダクトアウト型の商品よりも、アジアの人にとって適正価格で、かつ輸入での障害がなく、効果・効能がイメージしやすい成分を使っているということ。そのため、ここ数年はマーケットイン型で開発した商品の成功確率が高い」
――今後の展望について。
「成功確率が高いというファクトがあるので、今後も1年間あれば12案件は成功するような成果を出したい。また、今は台湾がメインだが、OEM先に関してはマレーシア、タイ、ベトナムでも開拓している最中。厳しい輸入規制を受けずに現地で商品を製造できるOEM先を各国で確保していく。そのほかにもコスメの容器は韓国が強いため、OEM先に丸投げするのではなく、売れる容器を当社が韓国まで調達しに行くことも行う計画。
今は円安が進んでいるトレンドがある。日本企業がコストを抑えて海外に進出できる最良のタイミングだと捉えている」