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外出機会の増加による消費行動の変化や物価上昇による節約志向の高まりを背景に通販市場が伸び悩む中、千趣会も既存会員の再購入率が想定を下回ったことで、ベースとなる会員数が減少。下期の売り上げは上期の会員獲得数の影響を受けるため、計画との乖離が顕著となり、前回予想を修正した。
第1四半期(1～3月)はデジタルプロモーションでの単品訴求を強化し、新規獲得施策などを積極的に展開したが、ジャンル・商品によって効果に差異が生じた。「インテリア・雑貨」は効果が顕著だったものの、「ファッション」は4月以降の売り上げが前年と比較して15%程度減り、想定よりも売上総利益が減少した。
例年、4～5月において第1四半期の赤字を取り戻す傾向があるが、上期において計画達成に十分な注文獲得効率が得られず、当初計画以上に販促費が増加した。業績改善施策によって第4四半期は黒字化する見込みだが、通期では大幅な損失を計上する見込みだ。
千趣会の通期業績は、連結売上高が550億円(前回予想は662億円)、営業損失が38億円(同5億円の黒字)、当期純損失が42億円(同1億5000万円の黒字)を見込む。
同社では来期の黒字転換を実現するため、中期経営計画で掲げる「通販事業のデジタルシフト」「収益構造の変革」「パートナー企業との共創」などの施策を集中的に実施し、ビジネスモデルの転換を加速する方針としている。