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三井不動産 出荷キャパが2倍に、「EC自動化物流センター」公開、他のEC事業者とシェアを

2023年 6月 8日 12:00

 三井不動産は、千葉・船橋市の物流拠点に設けた「EC自動化物流センター」を公開した。自動ピッキングシステムや自動製函機、自動梱包機などを取り入れており、自社が運営している通販サイトの出荷作業において、現状で1日当たりの最大出荷キャパシティが従来比2倍以上、庫内作業の人件費が同約2割削減しているという。物流不動産のデベロッパーがEC物流を自動化した拠点を設けるのは同社が初めての試みになるとし、他のEC事業者とシェアしてセンターの効果的な運営を図っていく。

 6月5日に公開した「EC自動化物流センター」は、同社の物流拠点「MFLP船橋Ⅲ」内に設けている。約6600平方メートルのスペースに3次元ピッキングシステム「Skypod(スカイポッド)」をはじめ、自動製函機、寸法測定システム、ピッキングステーション、自動封函システムを配置した施設となる。

 一連の自動化機器・システムの連動により、商品の出荷作業においては、人による作業はほぼピッキングステーションでの荷物の箱入れ(移動せずにピッキング)に限られる。従来はピッキンと梱包を人手にたよっていたものを大幅に省人化しているという。なお、ピッキングステーションは3ステーションを設けている。

 スカイポッドは、商品在庫の入った専用コンテナを天井間近まで積み上げることができ、スペースの有効活用が可能。倉庫内の床面を走行する搬送するロボットが専用コンテンアを受け取り、ピッキングステーションへ移動。一方で自動製函機は商品の大きさに応じて段ボールを自動的に組み立て、出来上がった段ボールはコンベアでピッキングステーションへ移動する。

 ピッキングステーションでは、ロボットが運んできた商品を段ボールに移し替えるピッキング作業を人手で実施。その段ボールをコンベヤに流すと、明細なども自動で封入する。段ボールの上蓋を当該荷物の大きさを自動計測して組み立てた上で、上蓋を被せて排出。次に段ボールにオートラベラーでラベルを貼り付けて、出荷となる。

 三井不動産が運営する通販サイト「&mall」の出荷業務は、事業が拡充するとともに庫内作業が複雑化し、また人件費や賃料も増加するようになったという。そこで昨年11月に「EC自動化物流センター」を稼働することにし、既に効果を挙げているという。

 今後、キャパシティ拡大を図り、他のEC事業者とのシェアを行えるようにするという。なお、センターの利用料金はベースとなる賃料のほか、出荷量に応じた従量課金にしていくことを検討している。

 
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