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国セン 健康茶にステロイド含有、厚労省など関係省庁に対応要望

2023年 4月20日 12:00

 香塾が通販で販売していた健康茶にステロイドが含まれていた。国民生活センターの商品テストで明らかになった。薬機法だけでなく、食品表示法違反のおそれもあるとして、国センは4月12日、関係省庁に対応を要望した。商品は、複数の芸能人や著名インフルエンサーが紹介しており、ネット上ではステルスマーケティングの疑惑も指摘されている。

 













 「ジャムー・ティー・ブラック」という商品からステロイド成分である「デキサメタゾン」が検出された。国センは、広告表示も調査。「花粉症の激しい症状が緩和される」(説明書)、「1日1~2回、食間にお飲みください」(パッケージ)などの記載がみられた。通販サイトでも「こんな方にぜひオススメです。花粉症で辛い(略)」などの表記があった。

 食品で医薬品的効果、用法用量をうたうと薬機法上の「未承認医薬品」として規制される。国センは、同法違反のおそれがあるとして、厚生労働省に対応を要望した。厚労省は、「所管の大阪市に調査依頼し調査中。(内容により)条文上の建てつけでいえば刑事告発もありえる」としている。

 また、商品パッケージの原材料表記は、アルファベットで行われていた。食表法では、邦文表記を求めており、国センは消費者庁にも対応を要望している。

 ただ、食表法の規制対象は食品になる。未承認医薬品である場合、一義的に薬機法による対応の要否が検討される。このため、「個別事案には答えられない」(食品表示企画課)としつつ、「一般論として関係省庁と調整の上、適切な対応を行う」(同)とした。

 商品は著名人らが推奨を行っており、ステマの可能性も指摘される。

 消費者庁は今年3月、景品表示法の不当表示としてステマを指定する告示を公表している。施行は10月。今回のような事案への対応に、消費者庁は、「個別事案に答えられない」(表示対策課)とする。外部でステマの可能性が指摘された案件について、調査を行わない可能性があるかにも「個別事案に答えられない」(同)とした。

 ステロイド成分の含有は今年1月、国センが運営する「医師からの事故情報受付窓口」(ドクターメール箱)への情報提供で明らかになった。テレビ番組の影響で、商品を4カ月飲用した13歳女性の血液検査で異常がみられ、ステロイド成分の混入が疑われるとの情報が寄せられた。

 国センは、商品を販売する香塾に販売中止、混入の原因やその範囲・程度の調査を求めた。同社は、指摘を受けて販売を中止。商品回収を行うとしている。混入の原因は分からないとした上で、製造会社に混入経路を確認し、ホームページで公表するとしている。広告表示も改めるとしている。

 国センは、消費者委員会、食品安全委員会、日本通信販売協会、オンラインマーケットプレイス協議会にも情報提供した。
 
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