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残る約9%の株式の取得を含め、完全子会社化を目指す。多くは、吉田前会長の知人への譲渡など連絡がつかない少数株主。少数株主から強制的に株式を取得するスクイーズアウトなどの手法を検討するとみられる。
オリックスは、新たな経営体制による現経営陣との事業承継、企業価値の向上、ガバナンスの強化を進める。
宮﨑氏は、「DHCに古くから在籍する方」(オリックス)という。そのほかの役員体制は、非開示。オリックス選任の役員派遣で過半を占める体制に移行する。
企業価値向上は、成長戦略の実施により中長期で収益性の拡大・良化を図る。承継事業は、化粧品事業、健康食品事業、海外事業(米国、アジア)、出版・翻訳、ビール、酒造、広告代理業。サプライチェーンの強化や販路拡大、中国、アジアでブランド認知を図る。リゾートホテル、テレビ・ラジオ、海洋深層水などその他事業は承継しない。同事業は、今後も吉田前会長が保有するとみられる。
コンプライアンス体制やガバナンスの強化は、オリックスのサステナビリティポリシーに基づき進める。DHCは近年、吉田前会長による在日韓国人に対する声明が批判を招き、ブランド力にマイナス影響があった。人権尊重、ダイバーシティー&インクルージョンの促進などポリシーの基本原則、長年培ったノウハウを活かし企業価値向上を図る。
オリックスは、未公開企業を対象にしたプライベートエクイティ投資では国内で17の投資実績がある(今年3月時点)。ITや物流・レンタル、ヘルスケア関連で1件あたりは3~5年以上の投資期間。ヘルスケアでは、医療機器販売のイノメディックス、同仁医薬化工に出資。DHCへの出資を同分野のネットワーク拡大に活かす。