ライブコマースプラットフォーム「PinPon」を展開するPinPonは1月31日、東京・羽田の羽田空港内に訪日外国人らが店内の商品などを紹介するライブ配信ができる小売店を開店した。

　開店した店舗「PinPonStudio羽田エアポートガーデン店」(=写真)は同日に全面開業した羽田空港第3ターミナル直結の新施設「羽田エアポートガーデン」の2階に開設。店内の広さは約49・5平方メートル。営業時間は午前10時から午後8時。「各メーカーに棚を貸し出して販売したい商品を置いてもらう形式」(同社)で化粧品や食品、雑貨などを販売している。

　店内には商品棚のほか、ライブ配信スペースを設置しており、日本を訪れたソーシャルバイヤー(代理購入者)らに提供する。事前予約は必要なく、無料で配信できるようにした。それによりソーシャルバイヤーが配信をしながら買い物ができるようにするという。店内での配信は同店舗で購入した商品だけでなく、「羽田エアポートガーデン」内の店舗であれば他店舗の商品を持ち込んでの配信も可能にするという。

　同社によると、1月8日から中国人の入国時の隔離措置を撤廃したことで訪日客が増える見込み。また、中国ではライブコマースが盛んなことなどから、「来日時に中国人らがライブ配信しながらの自国にいる家族や友人に買い物を代行するというシーンが増えるのではないか」(同社)とし、ライブ配信できる仕組みを来店客が自由に利用できるようにしたという。

　今後、同社が中国の消費者に向けて「TaoBaoLive」や「TikTok中国版」などで実施しているライブ配信で、店内のライブ配信スペースの無料貸し出しについて紹介するなどして利用を促していくという。

　「PinPonStudio」は昨年6月24日に東京・新宿の新宿マルイ本館内3階に開店した1号店に続き2店舗目。ただ、1号店は同社のスタッフらが店内商品を紹介するもので、来店客に配信の仕組みを提供するのは初めてだという。同社によると今後も「PinPonStudio」の開設は進めていく意向で、都内のほか、他の大都市圏などでも店舗展開をしていきたい考えだ。