日本代理収納サービス協会、収納代行の利用環境整備へ、本格活動は来年度から
今年中にテーマを決定、2次業者対応カギに
商品代金の決済手段として通販事業者にも馴染みのあるコンビニエンスストア店頭での収納代行サービス。その事業者団体となる日本代理収納サービス協会(事務局・東京都中央区)が9月27日、正式に発足を発表した。収納代行サービスに為替取引の疑義があるとする金融庁が規制導入の動きを見せたことをきっかけに発足したもので、事業者の自主的な取り組みで、消費者が安心してサービスを利用できる環境作りを目指す。これは通販事業者にもプラスと言えるものだが、具体的な活動内容が見えるまでには、まだ時間が掛かりそうだ。
日本代理収納サービス協会は、代理収納に関する調査・研究や広報、指針の策定などを主な事業としたもの。直接、コンビニ本部と代理収納(収納代行)契約を結ぶ1次収納代行業者の正会員、各種料金の収納窓口を担うコンビニ本部のリテール会員のほか、協力関係を結ぶ関連団体等のオブザーバー会員、1次収納代行業者のサービスを活用して事業を行う2次収納代行業者のグループ会員で構成する。
発足当初の構成は正会員26社、リテール会員13社、オブザーバー会員1団体の計40社・団体で、会長には電算システムの西村英彦ECソリューション事業部参与が就任。組織化の状況としては、協会加盟に関する社内稟議中の2社を含め「1次収納代行業者の全てが協会会員になる見込み」(西村英彦会長)だという。
一方、同協会が取り組むべき課題は多い。実際、金融審議会で指摘されていた消費者への二重請求防止策や預かった商品代金等の管理徹底、悪質なサービス利用事業者の排除、消費者からの問い合わせ対応体制の整備などが挙げられる。
協会としての具体的な活動テーマは、毎月行われる理事会で「これから決める」(同)段階だが、その中でポイントとなりそうなのが、2次収納代行業者の実態把握だ。
もともと収納代行サービスには明確な所管法令がなく、サービスを提供する事業者も、金融系やシステム系など業種が多岐にわたり、事業規模も様々。このため収納代行業界の全体像はつかめておらず、同協会でも「2次収納代行業者が何社程度あるのか、まだ把握できていない」(同)という。
無論、2次収納代行業者の多くは健全な事業運営を行っていると見られるが、中にはサービス利用事業者の審査や消費者対応などに問題のある業者がいる可能性もある。
このため同協会としても、正会員へのヒアリングなどを通じ2次収納代行業者の実態を捕捉していく意向だ。この2次収納代行業者をグループ会員として組織化し、サービス利用事業者の審査や消費者対応などの徹底を図れるかは大きなテーマのひとつになる。
金融庁の規制の枠から逃れた収納代行だが、依然同庁は、収納代行が為替取引に当たるとの見方を崩しておらず、何か問題が起きれば規制議論が再燃する可能性は高いのが実情だ。
仮に、収納代行に金融規制が導入されるようなことになれば、料金や利便性などの面で、サービスを利用する通販事業者やその顧客に影響が及ぶことは必至。こうした事態を避けるためにも、日本代理収納サービス協会の役割は重要になる。
同協会では、「今年度中にテーマを決め、来年度から本格的な活動を始める」(同)方針だが、さらに様々な業種を背景に持つ収納代行業者をいかにまとめ、ユーザー側の日本通信販売協会など関連団体とどのように連携してくかも、今後の事業活動を進める上でカギとなっていきそうだ。
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このため同協会としても、正会員へのヒアリングなどを通じ2次収納代行業者の実態を捕捉していく意向だ。この2次収納代行業者をグループ会員として組織化し、サービス利用事業者の審査や消費者対応などの徹底を図れるかは大きなテーマのひとつになる。
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仮に、収納代行に金融規制が導入されるようなことになれば、料金や利便性などの面で、サービスを利用する通販事業者やその顧客に影響が及ぶことは必至。こうした事態を避けるためにも、日本代理収納サービス協会の役割は重要になる。
同協会では、「今年度中にテーマを決め、来年度から本格的な活動を始める」(同)方針だが、さらに様々な業種を背景に持つ収納代行業者をいかにまとめ、ユーザー側の日本通信販売協会など関連団体とどのように連携してくかも、今後の事業活動を進める上でカギとなっていきそうだ。