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ジュン リアル店舗からの直接配送を強化 全店舗で在庫共有へ 顧客の利便性高める

2022年11月 1日 17:10

 ジュンは、商品欠品時にリアル店舗から直接、購入者に配送するマイクロフルフィルメントシステムの本格運用に乗り出す。同社はECとリアル店舗の垣根をなくすOMOの取り組みを推進しており、一環として配送面でも連動性を高めていく。


 マイクロフルフィルメントシステムは、従来型の大規模物流センターからではなく、既存のリアル店舗や、営業所など顧客の近くにある小規模倉庫から配送する仕組みだ。


 自社ECの「ジャドールジュンオンライン」では、顧客が希望する商品の在庫がない場合、チャットスタッフに相談すると在庫のある店舗から直接配送する「ラクトリ」サービスを昨年10月から展開し、利用者から好評を得ている(画像)。今回、この店舗出荷の仕組みをリアル店舗にも広げる。


 通常、ユーザーがリアル店舗を訪れ、欲しいアイテムの色やサイズがない場合、店頭スタッフに依頼して他店舗から取り寄せてもらい、再来店して購入したり、品番を控えた上で自宅からECチャネルで購入したりするのが一般的だ。


 今回のシステムでは、店舗在庫を近隣の店舗で共有し、リアル店舗でも自社ECでも境目なく販売でき、顧客に一番近い店舗からダイレクトに商品を配送することで、ユーザーは再来店の手間なく自宅で受け取れる。


 同社にとっても、機会ロスの軽減やユーザーの自宅に近い店舗から届けることによる配送コストの削減や配送スピードの向上が期待できる。


 また、ECでもリアル店舗でも店舗からの直送サービスはユーザーに決済をしてもらってから出荷するため、ムダな配送は発生しないという。


 同社は1013日から「ロペピクニック」や「アダムエロペ」「ビス」など数多くのブランドで同システムの運用を開始。10月中に150店舗、11月初旬には200店舗に対象を広げる。最終的にはほぼ全ブランド、全店舗の在庫を共有化して店舗配送を実現できるようにする予定だ。


 加えて、「ラクトリ」サービスはこれまで、遠地の店舗では顧客の自宅に近い店舗からダイレクトに出荷していたが、一都三県および関西圏の店舗についてはルート便で回収し最寄りの倉庫から出荷していたという。今後はルート便を使わず、すべて店舗から直接購入者に届ける体制に移行する。


 ジュンでは、同システムの本格運用後はデータチューニングを行いながら、ブランドや地域特性に合わせた在庫の持ち方を再考していくという。


 今回のシステム運用に当たっては、ECプラットフォームの「ショッピファイ」が提供するPOSシステム「ショッピファイPOS」と、楽天グループのオムニチャネル在庫管理システム「楽天ファッションオムニチャネルプラットフォーム」を活用している。


 なお、ジュンでは自社ECのユーザーを店舗送客する「店舗試着予約サービス」についても11月中旬以降、全ブランドを対象に導入する計画で、引き続きOMOの取り組みを加速していく。
 
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