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折込レポート26

2010年10月 4日 18:03

403.jpg今回から2回にわたり、首都圏のモニターポイントを用いて2010年上半期(1~6月)における折込広告全体の傾向と通販折込広告の出稿状況を探る(朝日オリコミ折込広告出稿統計調査データベースによる ※調査概要参照)。

 第1回目の今回は、折込広告全体の傾向に焦点をあてる。
 
 2010年上半期では1世帯に配布された折込広告枚数(出稿量)は、首都圏平均で3138.4枚(1ヶ月平均523.1枚)、前年比4.3%減となった。リーマン・ショック以降、各企業においてもリストラ効果が加わり、生産・所得・雇用・消費においても緩やかに持ち直している見方が強いものの折込広告全体の出稿量では、1~3月までの第1四半期は前年比6.4%の減少となっている。但し、4~6月までの第2四半期ではやや回復基調となり2.4%の減少に改善されてきている。

 月別の出稿状況を見ると、「3月」(606.1枚)をピークに、「4月」(539.8枚)、「1月」(528.5枚)の順で出稿枚数は推移した。この「3月」のピークは季節変動要因となる入学、進学、転居等を控えている点や、新年度を迎える流通企業が多いことなどからも1年間で最も出稿が高まる月となるため上半期の平均枚数を大きく上回っている。(※グラフ(1)参照)

◆◆B4、多色刷りが主流◆◆

 サイズ別傾向では、全体の60%を占める「B4」サイズが主流。これに次いで、「B3」が「B4」サイズの約半数(31.5%)を占め、これらの合計が全体の9割に達している。但し、主流は「B4」サイズであるものの業種によっては「B4」以外のサイズも多用するケースも見られる。一例として、「B3」サイズでは、食品スーパー、GMS等の大型スーパーをはじめカジュアル衣料、自動車、ドラッグストア、マンション等の業種が見られる。「B2」サイズでは家電量販店等が目立っている。

 印刷の刷り色数では、3色以上の「多色」刷り印刷が中心であり、この傾向は例年通り。なお、「多色」刷りの割合は前年の上半期と比較すると1.3ポイント増加し88%に達している。

 曜日別の出稿状況を見ると、「土曜日」をピークに週の後半に占める割合が高い傾向は例年通り。但し、業種によっては週末以外に多く出稿するケースも見られる。一例として、塾・予備校やパチンコホールでは「月曜日」に多く出稿が見られるほか、ホームセンター、百貨店、ドラッグストア、薬品・化粧品・洗剤では「火・水曜日」への出稿が目立っている。このほかに外食・テイクアウトやマンションでは「金曜日」への出稿も目立っている。(※グラフ(2)参照)

◆◆出稿頻度が高いのはスーパー◆◆

 続いて業種別の傾向では、最も出稿頻度が高かったのは「食品スーパー」で1ヶ月平均52.2枚、全折込広告の10%と大きなウエイトを占めている。但し、最も出稿量は多いものの2.7%減と前年をやや下回っている。これに次いで多く見られたのが「塾・予備校」の38.9枚で、前年を4.5%上回っている。以下多い順に「パチンコホール」36.2枚、「不動産仲介など」28.4枚が続いているが「パチンコホール」では前年より10.5%減、「不動産仲介など」では16.9%減といった2ケタの落ち込みも見られる。

 一方、これらの出稿量上位業種の以外では「自動車」に関してはエコカー減税による買い替え促進等も起因して前年を4.3%上回る点も見られたほか、「エステティック」「カジュアル衣料」「各種スポーツ施設・教室」「ケータリング」「百貨店」などの業種では前年の出稿量を上回るケースも見られた。このように、好機に照準を合わせ積極的に折込広告の出稿量を増やすケースや回復基調などの要素もあるものの、景気が依然低迷している影響を受け、広告・販促費を抑えるなどのリストラ策を講じる業種もあり出稿状況に変化が見られている。

◆  ◆  ◆

 以上は2010年上半期における折込広告全体の傾向であるが、次回は2010年上半期の通販折込広告について詳しく見ていく。
((株)朝日オリコミ 松本和久 http://www.asaori.co.jp/ )
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