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楽天グループ 「23年温室効果ガスゼロへ」、三木谷社長が講演、クラウドも強化

2022年10月 6日 12:00

 楽天グループは9月28日と20日の2日間、「楽天オプティミズム2022」をオンラインで開催した。

 3回目の開催となる今年は、デジタル化や、持続可能でグリーンな社会実現に向けた取り組みが求められる中で、「テクノロジーによる革新」が鍵となっていることを背景として、「Tech&Green 未来、動く、ここから」をテーマとした。初日となる28日には、楽天の三木谷浩史会長兼社長(=写真)による基調講演が行われた。

 三木谷社長は「『Tech&Green』という意味においては、テクノロジーを使って、いかに発展的に環境をキープしていくか、いかにサステナブルにしていくか、ということが大きな課題であり、楽天グループとしてもそこに貢献していきたい」とテーマの趣旨を説明した。

 仮想モール「楽天市場」開設から今年で25周年を迎えた同社だが、国内EC流通額は5兆円を超えた。「この数字が7兆、9兆、10兆と増えて、オンラインとオフラインが融合する。サーチすると、楽天市場で買えるだけではなく、『このお店でも売ってますよ。店に行きますか、予約しますか』といったような融合、さらにはポイントを使った融合もどんどんと行われていく」。

 「楽天経済圏」の規模は、クレジットカードやポイント取引も含めると30兆円規模に。さらには、累計発行ポイントは3兆円分を超え、手数料収入も2兆円に達する。

 三木谷社長は「一気通貫型で、全てが統合されている、世界有数のエコシステムだ」とした上で、オープン化を進めていく方針を示した。すでにウーバーイーツや東急などとの連携を行っているが、プラットフォームを開放していくという。その際はID・ポイントだけではなく、AIを中心とした技術のプラットフォームもオープンにする。

 今後はクラウドサービスを強化する。三木谷社長は「日本においては、残念ながらマイクロソフト、アマゾン、グーグルの3つしかパブリッククラウドがない」と指摘。同社では現在、通信会社向けにクラウドサービスを提供している。将来的には、同社の内部向けクラウドと通信会社向けクラウドを合わせて「楽天クラウド」とする方針だ。

 「Green」に関しては、「楽天グループは30兆円規模の経済圏を抱え、100万人以上の雇用を生み出している中で、社会的責任として環境問題に積極的に取り組み、将来的にはビジネスにしていきたい」と述べた。

 さらに三木谷社長は「地球温暖化対策は、リアリティーを持って、待ったなしで進めなくてはいけない。それは1企業、1個人が意識を持つべきことで、楽天でも大きなグリーンプロジェクトをやっている」とし、具体的には2023年までにカーボンニュートラル(温室効果ガス排出の実質ゼロ)を、楽天グループとして達成する方針を示した。

 現在同社グループでは、5~6万家庭分の二酸化炭素を排出しているという。効率化や再生可能エネルギーへの切り替え、カーボンクレジットの調達により、カーボンニュートラルを実現する見通しだ。すでに、楽天イーグルスやヴィッセル神戸の本拠地では、再エネに切り替えているほか、グループサービスにおいて、AIを活用することで電力消費量を最適化。「サービスレベルを下げることなく電力消費量を下げる」という。

 ユーザーに対しても、ポイントを付与することで環境に配慮した行動を起こしてもらうようにしていく。さらには「ユーザーも『グリーンなサービスを使いたい』『グリーンな商品を買いたい』という意識が高まっている。楽天市場の店舗や楽天トラベルの施設も含めて、大きなムーブメントを作っていきたい」とした。

 最後に三木谷社長は「テクノロジーを使ったグリーンを実現する。ビジネスプラクティスでグリーンをリードする、ということを宣言する」と述べ、講演を結んだ。
 
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