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埼玉消費者被害をなくす会 「返金保証」に差止請求、厳格な条件、「表示削除」と回答

2022年 8月25日 13:00

 特定適格消費者団体の埼玉消費者被害をなくす会(=なくす会)による、化粧品通販を行うエムアンドエムに対する差止請求は8月9日、同社が指摘を受けた表示を「削除する」と回答した。詳細の条件を明示せず「全額返金保証」とする表示が景品表示法、特定商取引法に違反すると指摘していた。なくす会は、回答を受けて「9月開催の検討委員会で今後の対応について検討する」としている。

 「全額返金保証」の広告をめぐるやり取りは20年7月以降、複数回行われていた。

 販売する「ZerofactR Zローション」等の表示について、実際は厳格な条件を満たす必要があるにもかかわらず、「全額返金保証」と表示していた。

 なくす会は、複数回のやり取りを経て昨年12月、差止請求に移行。「210日間全額返金保証」の表示について、返金条件として(1)210日間、商品の使用、支払いを継続すること、(2)3回目分(210日分)の支払い完了から4回目の商品送付予定日の10日前に電話で事前連絡すること、(3)使用済み容器の全部保管、(4)毎日使用し、所定のチェックシートに記録を残す等の厳格な条件をリンク先の別画面で71行に渡り表示しており、景表法の有利誤認、特商法の誇大広告にあたると指摘していた。

 条件には、商品の配達サイクル等を変更した場合は対象外となることや、「条件を知らなかった」等の申し出は受けられないことなども記載。必要書類を郵送し、郵送も配達記録が残る手渡しの配達などを求めていた。

 エムアンドエムは、「全額返金保証」の表示下部に「※印」とともに返金条件の一部を表示したり、条件を赤字で記載するなどと回答していた。また、商品の全部保管等を求めるのは、転売が多数発生しており、全額返金保証の条件を悪用して無償で商品を取得。転売する事業者等の存在があることを訴えていたが、協議は不調に終わり差止請求に至った。

 同社は18年にも商品の定期購入条件に関する表示でなくす会から景表法、特商法違反を指摘され、差止請求を受けて修正している。

 
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