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8割以上が「影響あり」<通販各社に聞く 原料高騰、円安の影響は> 仕入れ費増、価格転嫁へ

2022年 7月14日 13:30

 原材料費の高騰や急激な円安の影響が事業者のビジネス活動に影を落とし始めている。通販実施企業においても仕入れコスト増や商品原価アップなどに直結。利益を圧迫したり、売価に転嫁せざるをなくなり、売り上げ減につながりかねない値上げを余儀なくされるなど影響はすでに少なからず出てきているようだ。本紙では通販実施各社にアンケート調査を行い、原材料高騰や急激な円安による影響や対策などについて聞いた。
 




原材料費の高騰影響あり9割超

 本紙が7月に通販実施企業600社を対象に実施した通販通教売上高調査に合わせて行った「原材料費高騰、円安の影響」に関するアンケートのうち、有効回答を得られた企業の9割超が「原材料の値上がり」の影響を受けていると回答した。

 「影響を受けた」とする事業者に具体的にどのような影響があったのかを尋ねた。

 主な回答としては「仕入原価アップ」(ホームショッピング)、「商品原価の上昇」(オイシックス・ラ・大地)、「製造コストが上昇」(山田養蜂場)、「仕入れ商品の原価高騰、値上げラッシュ、粗利率低下に直結」(ダイワ)、「仕入原価が高くなっている」(郵便局物販サービス)、「仕入価格上昇」(ニッポン放送プロジェクト)、「商品原価の値上げ、取り扱えていた商材が生産中止になるなど」(エービーシーメディアコム)、「貴金属価格の高騰は、そのまま仕入原価に影響している」(田中貴金属ジュエリー)といった仕入れ価格や商品原価のアップにつながったという声があった。このほか、「少なからず電力や原料での影響は受けている」(キューサイ)、「容器、梱包資材、送料すべてにおいてコストアップしている」(ちゅら花)、「カタログ等用紙の値上げ、ダンボール等梱包資材の値上げ、商品原価の値上げなど」(ベルネージュダイレクト)、「配送費や資材等」(マガシーク)、「原価値上げ、物流費、資材費の値上げ」(世田谷自然食品)と商品に関わらず、容器や物流費など様々なコスト上昇への影響が出ているとの声もあった。

 また、「価格を上げざるをえないものも出てくるなど一部の商品調達に影響がある」(ジュピターショップチャンネル)、「物価上昇や値上げによる買い控えが懸念される」(タキイ種苗)、「商品価格の上昇」(ユナイテッドアローズ)、「仕入れ値、または上代のアップ」(ロッピングライフ)、「宝飾品のため、地金の高騰は大きく影響あり。安易な販売価格への転嫁は売上に影響が出る」(GSTV)、「製造原価の高騰および物流コストの上昇、ならびに円安により売価への転嫁を検討せざるを得ない」(ヒラキ)といった商品価格への転嫁とそれによる影響を懸念する声もあった。

 このほか、「マイルドクレンジングオイルの主原料であるオイル関連や、主に化粧品で使用するシリコンの需給がひっ迫している。サプリメントはコラーゲンや包装材について影響が見込まれている。また、その他販売促進のためのツール類に関しても、コスト増が予測される状況」(ファンケル)、「当社は卸問屋からの仕入れがメインとなるが、毎月のように定価改定、価格改定、条件変更の連絡があり、毎月販売価格の再設定業務に追われている」(プラグイン)という声などもあった。

 なお、「影響はない」と回答した事業者では「今後、利益を圧迫してくるが、原料調達等には影響があまりないと考えられる」(八幡物産)、「現時点では、事業に与える影響は限定的と認識しているが、今後の原材料費の動向は不透明な部分があるため、状況を注視し業績への影響は最小限にとどめるよう対応していく」(北の達人コーポレーション)としている。



 
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