年商4000億円のSBSグループが、新規事業のEC向け3PL事業で2030年度をめどに売り上げ1000億円への拡大を目指している。SBSロジコムは3PL事業会社としてEC向け事業で中核的な役割を担い、EC事業者により沿った業務を提供していく。同社の靍岡征人取締役常務執行役員にEC向け3PL事業強化の経緯や今後の展開などについて聞いた。
――今回、EC事業者向けの3PL事業を強化することにした経緯は。
「当グループ、そして当社における3PL事業は、既存の受託業務だけでも右肩上がりで成長を続けているが、さらなる成長戦略として、アマゾンが台頭してきたこともあり商習慣も変化すると見て、数年前からEC・通販企業の業務を取り込んでいこうと考えていた。そこに新型コロナウイルス感染症の拡大があり、EC市場が急成長し、宅配需要が大きく膨れ上がることになった。以前はもう少し緩やかに成長していくものと見て、当社としてもそれに合わせていけばよいだろう考えていた。だが、この1~2年のECの状況から、当社を含めたSBSグループ全体で取り組みを強化していこうということになった」
――グループを横断してECへの対応進めていくということか。
「当社はこれまでBtoBを主力とし、当社にはないBtoC向けの倉庫管理システム(WMS)はSBSグループのSBSリコーロジスティクスが開発した『RLIW』(リュウ)をカスタマイズしてグループで提供できるようにする。また、『フルフィルメント・バイ・SBS』、略して『FBS』というコンセプトのもとプロジェクトを立ち上げ、グループで2030年度をめどにEC・通販向けだけで1000億円の事業規模にしていく方針となった。その中で当社としては中小・中堅の企業の業務を受託し、4~5年をかけてEC・通販カテゴリーで300億~400億円の売上規模にする。プロジェクトとしては大手企業、大手メーカーの業務を取り込んでいく構想だが、まず、中小・中堅を取り込んでいく」
――SBSロジコムでもこれまでEC・通販の業務を行ってきたのか。
「多様な業種・業態がEC・通販に参入するようになっている中、現状、当社の売り上げの1割強が主に通販によるもので、ただし、それらはBtoBのクライアントの方々から『通販もお願いできないか』と相談され対応してきた。いつの間にか1割以上の売り上げを占めるようになっていたが、これからはBtoBのクライアンの通販への対応というだけでなく、EC・通販企業をターゲットに受託して、さらにそのクライアントへはBtoBも提案していくこともできるのではないかと考えている。クライアントの成長をサポートして信頼関係を築き、そして当社の成長にもつなげていけるようにしたい。
また、SBSグループのクライアントは2000社を超えている。あらゆる業界・業種の方々とお付き合いがあるが、こうした多くのクライアントがEC・通販への関心を高めている中、当社がこれまで見てきたEC・通販の成功事例と失敗事例を基にして、BtoBに加えてBtoCに関するいろいろな提案を行っていきたいと考えている。また、前述の通りBtoCのクライアントへ逆にBtoBを提案するということも可能だ。商品、つまり在庫は同じで、物流センター内で荷物を一元管理した上でBtoBとBtoCの荷物を振り分けることにより、それぞれにうまく対応していけるようにする」
――事業規模の拡大へ向け、ロボット導入による省人化・自動化に取り組むのか。
「投資を積極的に行っていくLT(ロジスティクス・テクノロジー)に関しては、昨年末から今年初めに本社を新宿に移転したが、ロボットのショールームも設けている。ロボットの利用については、競合上での優位性を発揮できるものとして強化していき、既存の施設も含めて導入を進めていく。また、2024年1月に稼働予定の野田瀬戸物流センターA棟(千葉県野田市)は4万坪の延床面積となる汎用型の倉庫だが、そのうち1万~2万坪をEC・通販専用に充てる考え。そこにおいてもロボットを導入して自動化も進める。ロボットは個々のクライアントごとに適正かどうかを当社の現場とSBSホールディングスのLT企画部で検証し提案できるようにする」
――大手企業などへの対応は。
「中小・中堅で実績を上げていけば、ある程度の基盤ができるので、先々に大手から依頼があった際、万全な体制で臨める体制にする。当社が扱っている商品ジャンルは幅広いが、一方で家具・家電といった大型商材はSBSリコーロジスティクスやSBS東芝ロジスティクス、3温度帯の食品はSBSフレックというようにグループ企業で対応でき、シナジーにもつながる。大型案件を狙って1000億円を目指していくが、一方で中小・中堅の案件を地道に積み上げていくというイメージを描いている。また、カスタマーサポートや『ささげ』の代行も本格的に取り組んでいく。SBSグループにはマーケティングパートナーというECサイトの構築・運営代行を行う企業もあり、全包囲網の体制でEC・通販企業をサポートすることが可能になる」
――今回、EC事業者向けの3PL事業を強化することにした経緯は。
「当グループ、そして当社における3PL事業は、既存の受託業務だけでも右肩上がりで成長を続けているが、さらなる成長戦略として、アマゾンが台頭してきたこともあり商習慣も変化すると見て、数年前からEC・通販企業の業務を取り込んでいこうと考えていた。そこに新型コロナウイルス感染症の拡大があり、EC市場が急成長し、宅配需要が大きく膨れ上がることになった。以前はもう少し緩やかに成長していくものと見て、当社としてもそれに合わせていけばよいだろう考えていた。だが、この1~2年のECの状況から、当社を含めたSBSグループ全体で取り組みを強化していこうということになった」
――グループを横断してECへの対応進めていくということか。
「当社はこれまでBtoBを主力とし、当社にはないBtoC向けの倉庫管理システム(WMS)はSBSグループのSBSリコーロジスティクスが開発した『RLIW』(リュウ)をカスタマイズしてグループで提供できるようにする。また、『フルフィルメント・バイ・SBS』、略して『FBS』というコンセプトのもとプロジェクトを立ち上げ、グループで2030年度をめどにEC・通販向けだけで1000億円の事業規模にしていく方針となった。その中で当社としては中小・中堅の企業の業務を受託し、4~5年をかけてEC・通販カテゴリーで300億~400億円の売上規模にする。プロジェクトとしては大手企業、大手メーカーの業務を取り込んでいく構想だが、まず、中小・中堅を取り込んでいく」
――SBSロジコムでもこれまでEC・通販の業務を行ってきたのか。
「多様な業種・業態がEC・通販に参入するようになっている中、現状、当社の売り上げの1割強が主に通販によるもので、ただし、それらはBtoBのクライアントの方々から『通販もお願いできないか』と相談され対応してきた。いつの間にか1割以上の売り上げを占めるようになっていたが、これからはBtoBのクライアンの通販への対応というだけでなく、EC・通販企業をターゲットに受託して、さらにそのクライアントへはBtoBも提案していくこともできるのではないかと考えている。クライアントの成長をサポートして信頼関係を築き、そして当社の成長にもつなげていけるようにしたい。
また、SBSグループのクライアントは2000社を超えている。あらゆる業界・業種の方々とお付き合いがあるが、こうした多くのクライアントがEC・通販への関心を高めている中、当社がこれまで見てきたEC・通販の成功事例と失敗事例を基にして、BtoBに加えてBtoCに関するいろいろな提案を行っていきたいと考えている。また、前述の通りBtoCのクライアントへ逆にBtoBを提案するということも可能だ。商品、つまり在庫は同じで、物流センター内で荷物を一元管理した上でBtoBとBtoCの荷物を振り分けることにより、それぞれにうまく対応していけるようにする」
――事業規模の拡大へ向け、ロボット導入による省人化・自動化に取り組むのか。
「投資を積極的に行っていくLT(ロジスティクス・テクノロジー)に関しては、昨年末から今年初めに本社を新宿に移転したが、ロボットのショールームも設けている。ロボットの利用については、競合上での優位性を発揮できるものとして強化していき、既存の施設も含めて導入を進めていく。また、2024年1月に稼働予定の野田瀬戸物流センターA棟(千葉県野田市)は4万坪の延床面積となる汎用型の倉庫だが、そのうち1万~2万坪をEC・通販専用に充てる考え。そこにおいてもロボットを導入して自動化も進める。ロボットは個々のクライアントごとに適正かどうかを当社の現場とSBSホールディングスのLT企画部で検証し提案できるようにする」
――大手企業などへの対応は。
「中小・中堅で実績を上げていけば、ある程度の基盤ができるので、先々に大手から依頼があった際、万全な体制で臨める体制にする。当社が扱っている商品ジャンルは幅広いが、一方で家具・家電といった大型商材はSBSリコーロジスティクスやSBS東芝ロジスティクス、3温度帯の食品はSBSフレックというようにグループ企業で対応でき、シナジーにもつながる。大型案件を狙って1000億円を目指していくが、一方で中小・中堅の案件を地道に積み上げていくというイメージを描いている。また、カスタマーサポートや『ささげ』の代行も本格的に取り組んでいく。SBSグループにはマーケティングパートナーというECサイトの構築・運営代行を行う企業もあり、全包囲網の体制でEC・通販企業をサポートすることが可能になる」