物流大手セイノーホールディングスが4月末に、ネット販売支援事業を行う子会社セイノーフィナンシャルを設立した。物流を軸に、通販サイトの構築や運営、決済代行などネット販売をトータルに支援していく。得意とする大型貨物の取り扱いやBtoB向けサービスの提供といった「後発」ならではの独自の強みを発揮したい考えだ。
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「以前からEコマースについては調査研究をしていたが、思い切って会社を作り本格的に取り組もうということで開始した」。
セイノーフィナンシャル設立の狙いについて丸田社長はこう述べる。ヤマトグループや佐川急便を中心とするSGホールディングスグループがネット販売事業者向けのサービスを強化するなか、西濃としてもグループのスケールメリット(規模効果)を発揮して通販向けの取り組みを拡充していく構え。
セイノーフィナンシャルが展開している「バックヤード支援サービス」は、決済代行や通販サイト構築、ネット広告、小口倉庫、梱包、配送などネット販売に必要な機能をすべて備える。
大手の事業者向けの倉庫に対応する一方で「小さな顧客でもまとまれば大きい」(丸田社長)とみており、小規模事業者向けに小口倉庫を1坪から貸すことや「場合によってはラック1つからでもお貸しする」(同)というサービスを提供。サービス利用料金も他社より低く設定し、小規模ネット販売事業者をカバーしていく。
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さらに決済代行業者やパッケージソフト販売業者らと短期間で次々に業務提携を行っている。まず、6月14日にソフトバンク・ペイメント・サービスとの連携を発表したのを皮切りに、ゼウスやGMOメイクショップ、「EC―CUBE」を提供するロックオン、J―Paymentらと相次いで提携、9月3日時点で合計8社との提携を発表している。
こうした目まぐるしい動きの背景にあるのは「後発なのでスピードを持って取り組みたい」(同)という考え。後発としてのハンディキャップを意識した上で「西濃グループが持つ30万社の取引先に加え、提携先企業の顧客にもサービスを提案したい」(同)とする。
また、同社はグループ内に決済代行やシステム構築といった部門を持つが、様々な企業と連携することで最新の支援サービスを展開するという狙いもある。「技術革新が日進月歩で進む中で、柔軟に最先端のサービスに対応したい」(同)とする。
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同社が先行する他社と差別化を図っていく点が、大型貨物輸送のインフラやノウハウを活用した大型貨物のネット販売支援。「他社は運べる貨物に制約があるため、すべての需要を取り込めていない」(同)とする。例えば家具やタイヤなど通常の宅配便では取り扱いづらい商材の獲得を視野に入れており、小口だけでなく大型商品や複数商品を扱うB〓B向け貨物の取り扱いを強化する考えだ。
丸田社長は「BtoBの貨物は量で見ると最も多い。通販にもビジネスチャンスがある。他社が手がけていない市場を開拓したい」と意気込む。
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中国でのサービスも展開する模様。10月をメドに中国向けの物流サービスを提供する予定で、それに合わせ現在、現地の大手宅配業者と提携の交渉を進めているという。
輸送コストなどを踏まえて「荷物を1つずつ日本から送るのではなく、中国にまとめて運んで在庫し、その中から売れ筋商品などを配送するというやり方が正しいのではないか」(同)とみている。
大手の物流企業が通販市場での顧客囲い込みを狙うなか、後発とはいえ全国に500カ所を越えるトラックターミナルを有する西濃グループとしてもその実力を発揮したいところ。今後は物流企業間での競争が激しくなってきそうだ。
「以前からEコマースについては調査研究をしていたが、思い切って会社を作り本格的に取り組もうということで開始した」。
セイノーフィナンシャル設立の狙いについて丸田社長はこう述べる。ヤマトグループや佐川急便を中心とするSGホールディングスグループがネット販売事業者向けのサービスを強化するなか、西濃としてもグループのスケールメリット(規模効果)を発揮して通販向けの取り組みを拡充していく構え。
セイノーフィナンシャルが展開している「バックヤード支援サービス」は、決済代行や通販サイト構築、ネット広告、小口倉庫、梱包、配送などネット販売に必要な機能をすべて備える。
大手の事業者向けの倉庫に対応する一方で「小さな顧客でもまとまれば大きい」(丸田社長)とみており、小規模事業者向けに小口倉庫を1坪から貸すことや「場合によってはラック1つからでもお貸しする」(同)というサービスを提供。サービス利用料金も他社より低く設定し、小規模ネット販売事業者をカバーしていく。
さらに決済代行業者やパッケージソフト販売業者らと短期間で次々に業務提携を行っている。まず、6月14日にソフトバンク・ペイメント・サービスとの連携を発表したのを皮切りに、ゼウスやGMOメイクショップ、「EC―CUBE」を提供するロックオン、J―Paymentらと相次いで提携、9月3日時点で合計8社との提携を発表している。
こうした目まぐるしい動きの背景にあるのは「後発なのでスピードを持って取り組みたい」(同)という考え。後発としてのハンディキャップを意識した上で「西濃グループが持つ30万社の取引先に加え、提携先企業の顧客にもサービスを提案したい」(同)とする。
また、同社はグループ内に決済代行やシステム構築といった部門を持つが、様々な企業と連携することで最新の支援サービスを展開するという狙いもある。「技術革新が日進月歩で進む中で、柔軟に最先端のサービスに対応したい」(同)とする。
同社が先行する他社と差別化を図っていく点が、大型貨物輸送のインフラやノウハウを活用した大型貨物のネット販売支援。「他社は運べる貨物に制約があるため、すべての需要を取り込めていない」(同)とする。例えば家具やタイヤなど通常の宅配便では取り扱いづらい商材の獲得を視野に入れており、小口だけでなく大型商品や複数商品を扱うB〓B向け貨物の取り扱いを強化する考えだ。
丸田社長は「BtoBの貨物は量で見ると最も多い。通販にもビジネスチャンスがある。他社が手がけていない市場を開拓したい」と意気込む。
中国でのサービスも展開する模様。10月をメドに中国向けの物流サービスを提供する予定で、それに合わせ現在、現地の大手宅配業者と提携の交渉を進めているという。
輸送コストなどを踏まえて「荷物を1つずつ日本から送るのではなく、中国にまとめて運んで在庫し、その中から売れ筋商品などを配送するというやり方が正しいのではないか」(同)とみている。
大手の物流企業が通販市場での顧客囲い込みを狙うなか、後発とはいえ全国に500カ所を越えるトラックターミナルを有する西濃グループとしてもその実力を発揮したいところ。今後は物流企業間での競争が激しくなってきそうだ。