フューチャーレイズとGMOメイクショップ システムを連携、短納期で定期通販機能提供
FutureRays(=フューチャーレイズ)とGMOメイクショップが提供するシステムを連携した。有料のオプション機能として提供する。両社のシステムは、ニーズに応じた設計の自由度の高さを強みにする。連携により、リピート通販を軸に事業モデルを構築する企業へ迅速にシステムを提供する。
フューチャーレイズが提供する通販基幹システム「クラウドK」は、定期サイクルや定期の販促施策管理などリピート通販に強みを持つ。提供機能は中長期の利用が想定されるバックエンド領域に絞り、消費者との接点になる「サイト構築」や「カート機能」などフロントエンドの機能は搭載していない。
フロントは、事業ステージや戦略、市場環境の変化や技術革新に応じて最適なシステムに容易に変更できる柔軟性を重視する。GMOメイクショップの提供するカートASP「MakeShop byGMO」(以下、メイクショップ)をはじめ、これまで複数のECプラットフォームと連携してきた。今回、ハイエンド向けサービスである「GMOクラウドEC」のクラウド上でフルオーダーメイドで提供する「クラウドECプラン」において連携することで、主要導入先である中~大企業向けに、迅速に提供できるECプラットフォームの選択肢を増やす。
GMOメイクショップは、企業ステージに応じ、「メイクショップ」(スタートアップ~中規模向け)、「GMOクラウドEC」(中~大企業向け)等のシステムを提供。中でも「クラウドECプラン」は、バックエンドにおいて企業ニーズ、業務内容に適したECシステムを連携できることが強み。API等による連携で複数のECサイトやアプリ、店舗のマルチメディア端末やPOS端末、SNSなど、外部のIT基板と連携でき、データの取得・出力が行えるなど、システム構築における自由度が高い。商品や顧客管理、決済機能などコア機能に絞り、導入企業にニーズを聞きつつ、半フルオーダーメイドでシステムを構築する。
例えば、リサイクルショップなど各店で取り扱い商品が異なる事業者のECを構築する場合、フロント(ECサイト)は全店の商品を共有して表示することで一覧性を確保しつつ、バックは各店のPOS端末と連携して注文ごとに各店が出荷処理を行うような設計もできる。
反対に1社で複数ブランドを展開する事業者の場合、フロントは各ブランドの世界観を重視した複数のサイトを構築しつつ、バックの出荷処理は一元管理するなど個別最適・全体最適を併せて実現できる。
「クラウドECプラン」が「クラウドK」と連携することで、リピート通販に必要な機能を搭載した通販基幹システムを迅速に提案できるようになる。
「変化」に対応する柔軟性強み
フューチャーレイズ、導入先の選択肢増やす
<システム連携のポイント>
システムの優劣は、企業の事業戦略を左右する。FutureRays(=フューチャーレイズ)が提供する「クラウドK」とGMOメイクショップが提供する「クラウドECプラン」は3月4日、連携を発表した。ポイントは何か。
システムは一般的にASP、クラウド、パッケージ、オープンソース、フルスクラッチのいずれかで提供される。
「ASP型」は端的に言えば、提供者が構築したプラットフォームを利用者が共同で使うシェアハウスのようなもの。このため、「低価格・短納期」がメリット。スタートアップの小規模企業によく利用される。ただ、機能を拡張すれば利用するすべての企業の業務に影響するため、個別ニーズに対応したカスタマイズは難しい。
同様に提供者によるアップデートを前提とするのが「クラウド型」。ASPとの違いは、設計の自由度の高さ。利用者で共用スペースの家賃を払いつつ、企業ごとに専用環境をつくりカスタマイズもできる。「クラウドK」「クラウドECプラン」はこの形で提供する。
「パッケージ型」は、あらかじめ通販に必要な一定の機能を備えつつ、個別ニーズに応じたカスタマイズ、サーバー環境をつくり納品する。専用ビルを建設するようなもの。ほかに一般公開されたプログラムで簡易構築できるオープンソース型、完全オーダーメードのフルスクラッチ型がある。
◇
「パッケージ型」は、より業務内容に即したシステムを導入できる可能性がある。ただ、ネックは導入コスト。定価は300~600万円ほどだが、実際はカスタマイズが必要になり800~2000万円が相場。数千万円になることもある。インフラ整備や継続的な保守費用の負担も重い。また、サイトの仕様などフロントサイドのトレンドは5~10年でトレンドの変化、技術革新が起こる。「パッケージ型」はカスタマイズを繰り返すことでしか進化できず、一旦導入するとリプレースまで塩漬けになるケースが少なくない。
「クラウド型」はシンプルな設計であれば500~1500万円。同じくカスタマイズ次第で高くなるが、プラットフォームは提供者によりアップデートされるため、システムが陳腐化しづらく長期的なコストメリットがある。
◇
「クラウド型」「パッケージ型」と一口にいっても、提供者の開発思想により設計はさまざまだ。あらかじめ通販に必要な機能、簡易的な基幹システムの代用機能を備えた「オールインワンタイプ」もある。導入すれば、通販に必要なフロント・バッグエンドの機能をある程度備えているため使い勝手はいい。
ただ、一体であるがゆえに開発時のセオリーに縛られ制約が多く、カスタマイズが及ぼす影響範囲が広いため業務内容や技術革新の変化に応じた変更が行えない場合がある。
対する「クラウドECプラン」は商品登録や決済などコア機能に絞り、バックエンドはAPI等による連携で対応する。本体が身軽なため個別ニーズに応じた設計の自由度など提案力が魅力。
一方で言い換えれば、個別ニーズを叶えるには開発が必要ともいえる。仮に定期機能を一から開発しようとすると時間がかかる。その意味で、すでにこれら機能を備えた「クラウドK」等との連携が重要な意味を持つ。あらかじめ連携することで、短納期でリピート通販に適した機能を備えたシステムを提案できるためだ。
「クラウドK」は、もともとフロントエンドのECプラットフォームを事業戦略や規模に応じて選択してもらうことを前提に、バックエンド領域の基幹システム機能に特化している。フロントは技術革新やトレンドの変化が激しく、バックは普遍性を求められるためだ。「クラウドECプラン」との連携でこれを接点とした中~大規模企業へのアプローチが可能になる。多くのECプラットフォームと連携し、その受け皿となることで利用者にさまざまな選択肢を用意する。
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例えば、リサイクルショップなど各店で取り扱い商品が異なる事業者のECを構築する場合、フロント(ECサイト)は全店の商品を共有して表示することで一覧性を確保しつつ、バックは各店のPOS端末と連携して注文ごとに各店が出荷処理を行うような設計もできる。
反対に1社で複数ブランドを展開する事業者の場合、フロントは各ブランドの世界観を重視した複数のサイトを構築しつつ、バックの出荷処理は一元管理するなど個別最適・全体最適を併せて実現できる。
「クラウドECプラン」が「クラウドK」と連携することで、リピート通販に必要な機能を搭載した通販基幹システムを迅速に提案できるようになる。
「変化」に対応する柔軟性強み
フューチャーレイズ、導入先の選択肢増やす
<システム連携のポイント>
システムの優劣は、企業の事業戦略を左右する。FutureRays(=フューチャーレイズ)が提供する「クラウドK」とGMOメイクショップが提供する「クラウドECプラン」は3月4日、連携を発表した。ポイントは何か。
システムは一般的にASP、クラウド、パッケージ、オープンソース、フルスクラッチのいずれかで提供される。
「ASP型」は端的に言えば、提供者が構築したプラットフォームを利用者が共同で使うシェアハウスのようなもの。このため、「低価格・短納期」がメリット。スタートアップの小規模企業によく利用される。ただ、機能を拡張すれば利用するすべての企業の業務に影響するため、個別ニーズに対応したカスタマイズは難しい。
同様に提供者によるアップデートを前提とするのが「クラウド型」。ASPとの違いは、設計の自由度の高さ。利用者で共用スペースの家賃を払いつつ、企業ごとに専用環境をつくりカスタマイズもできる。「クラウドK」「クラウドECプラン」はこの形で提供する。
「パッケージ型」は、あらかじめ通販に必要な一定の機能を備えつつ、個別ニーズに応じたカスタマイズ、サーバー環境をつくり納品する。専用ビルを建設するようなもの。ほかに一般公開されたプログラムで簡易構築できるオープンソース型、完全オーダーメードのフルスクラッチ型がある。
◇
「パッケージ型」は、より業務内容に即したシステムを導入できる可能性がある。ただ、ネックは導入コスト。定価は300~600万円ほどだが、実際はカスタマイズが必要になり800~2000万円が相場。数千万円になることもある。インフラ整備や継続的な保守費用の負担も重い。また、サイトの仕様などフロントサイドのトレンドは5~10年でトレンドの変化、技術革新が起こる。「パッケージ型」はカスタマイズを繰り返すことでしか進化できず、一旦導入するとリプレースまで塩漬けになるケースが少なくない。
「クラウド型」はシンプルな設計であれば500~1500万円。同じくカスタマイズ次第で高くなるが、プラットフォームは提供者によりアップデートされるため、システムが陳腐化しづらく長期的なコストメリットがある。
◇
「クラウド型」「パッケージ型」と一口にいっても、提供者の開発思想により設計はさまざまだ。あらかじめ通販に必要な機能、簡易的な基幹システムの代用機能を備えた「オールインワンタイプ」もある。導入すれば、通販に必要なフロント・バッグエンドの機能をある程度備えているため使い勝手はいい。
ただ、一体であるがゆえに開発時のセオリーに縛られ制約が多く、カスタマイズが及ぼす影響範囲が広いため業務内容や技術革新の変化に応じた変更が行えない場合がある。
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一方で言い換えれば、個別ニーズを叶えるには開発が必要ともいえる。仮に定期機能を一から開発しようとすると時間がかかる。その意味で、すでにこれら機能を備えた「クラウドK」等との連携が重要な意味を持つ。あらかじめ連携することで、短納期でリピート通販に適した機能を備えたシステムを提案できるためだ。
「クラウドK」は、もともとフロントエンドのECプラットフォームを事業戦略や規模に応じて選択してもらうことを前提に、バックエンド領域の基幹システム機能に特化している。フロントは技術革新やトレンドの変化が激しく、バックは普遍性を求められるためだ。「クラウドECプラン」との連携でこれを接点とした中~大規模企業へのアプローチが可能になる。多くのECプラットフォームと連携し、その受け皿となることで利用者にさまざまな選択肢を用意する。