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オールズ 軽トラで服の移動販売に挑戦、試着室も完備しファン獲得へ

2022年 2月10日 13:00

 ユニセックスブランドの「オールズ」は、コロナ禍で消費者の外出機会が減る中、軽トラックを活用した移動販売に挑戦している。今年は移動販売の開催頻度を高めてブランドのファン獲得を進めるとともに、ECチャネルを受け皿として強化していく(画像㊤左から代表兼デザイナーの清田氏と、ブランドクリエイターの井上氏)。

 「オールズ」は、代表兼デザイナーの清田良氏が2017年3月に立ち上げたファッションブランドだ。オーセンティックなデザインやモダンなシルエットを軸に、着心地やレイヤードを重視している。価格帯はメインとなる日本製のシャツが1万5000円~3万円程度で、30~40代のファッション感度の高い男女をメインターゲットにしているが、顧客は中高年も多い。

 これまではセレクトショップへの卸や自社通販サイトでの販売がメインだったが、コロナ禍における販路拡大を目的に昨年6月に移動販売を開始した。

 移動販売は軽トラの荷台を改造した。ラックなどの什器を軽トラのサイズに合わせて作ったほか、試着室も設置。マルシェ会場などのイベントスペースまで商品を運び、会場では車のひさし部分も使って60点ほどのファッションアイテムを陳列する(画像㊦)。初期投資は車体と改造費で約200万円という。

 移動販売を提案した同社顧問でブランドクリエイターの井上喜充氏は、「コロナ禍でキッチンカーが売り上げを伸ばしていることに着目した。”移動式ブティック”であれば小規模投資でブランドの世界観も打ち出せる」としている。

 昨年は、接客好きの清田氏が自ら運転してキッチンカーが集まるイベント会場などを中心に1カ月当たり3~4日の頻度で移動販売を開催した。

 開催場所などの情報は主にインスタグラムで発信。軽トラで服を販売する珍しさもあって興味を示す人は多いが、単独で開催するよりもキッチンカーなどが集まる催しに参加する方が効率的に集客できるようだ。

 現在は5カ所くらいをメインに回っているが、ブランドのファンを増やすためにも同じ場所で定期的に開催することに加え、開催場所の充実は欠かせない。同社では「消費者の生活スタイルが変化する中で対面販売の価値はより高まっていく。開催できる場所を確保し、年内には移動販売の頻度を3倍くらいに増やしたい」(清田良氏)とする。

 今後は、セレクトショップの駐車場などを借りて移動販売を実施したり、全国を回ってバイヤー向けの移動型ショールームなども開きたい意向だ。また、その場で購入できない人もいるため、ECチャネルの告知や送客も強化する。

 加えて、ローコストで始められる移動販売のノウハウを蓄積し、起業したい若手デザイナーなどをサポートしたり、移動販売車を貸したりすることでコミュニティーを形成していきたい考え。

 
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