前回に続き、Hamee(=ハミィ)の水島育大社長(=
写真)に新たに参入した化粧品事業の戦略などを聞いた。
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――他の韓国コスメブランドと比較した際の強みは。
「マーケティング力で優位性があるのではないかと思っている。また、ベースメイク、スキンケアからスタートするわけだが、コロナ禍を受けて『きれいな素肌を保ちたい』『メイク中も素肌に負担をかけたくない』といったように、肌に優しい化粧品を手に取る傾向が、若年層の間でも強まっている。バイユアでは『毛穴ケア』を重視している」
――2020年における、韓国からの化粧品輸入額は約500億円とのことだが、いつ頃までに、どの程度のシェアを獲得する目標なのか。
「今期(2022年4月期)が終わった後に、23年4月期を初年度とする4年間の中期経営計画を発表する予定なので、具体的な数字はそこで明確にしたいと思っている」
――投資回収までには何年かかるか。
「3~5年で黒字化していきたい」
――韓国コスメのブームは定着するのか。
「定着すると思っている。ここ数年、韓国コスメはものすごい成長率を維持しており、このトレンドはしばらく続くだろう」
――新たな商品ラインの開発は考えているのか。
「まずはベースメイクカテゴリーからスタートし、スキンケア、そしてカラーメイク、ヘアケアと事業拡張を行うことで、安定性の高いポートフォリオを作っていく。ただ、コロナ禍におけるニーズ変化もあるだろうし、そこを見極めることも大事になってくる。例えばヘアケア商品はかなり競争が厳しいし、価格も重要だ。市場動向を良く見極めた上で展開していきたい」
――実店舗の展開は考えているか。
「顧客と継続的かつ直接の接点を持つことは重要だ。チャンスがあれば、コンセプトショップ的な常設店も検討したい」
――日本以外での展開は。
「韓国でも販売していく予定だ。ただ、国によってニーズが大きく変わってくるので、一気に海外展開していくというよりは、その国や地域の特色にあわせた化粧品を開発する必要がある」
――その他のジャンルへのiFaceブランドの展開は。
「何でもiFaceブランドでやっていくことは考えていないが、他ジャンルにも興味はある。スマホケースだけではなく、自分たちのブランドやネット販売のノウハウといった強みを活かしたい」
――iFaceのブランド価値をどのように高めていくか。
「10代後半から20代前半女性への高い認知度が一番大きな武器になっている。この層には『iPhoneを新しくしたらiFaceだよね』という認識があり、昨年9月に発売された新型iPhone商戦においても、相当数のケースを販売できた。認知度を活かし、若年層に向けた新たなアプローチをしていく」
「スマホケースは頻繁に買い換える人はあまり多くないし、買い換えるにしても年1回。顧客接点が限られてしまう点が課題となっていた。化粧品は継続的に使ってもらえるジャンルなので、それ以外でも継続的な接点をどんどん増やしていける商材に進出していく」
――昨年7月、社長に就任した。ハミィをどういう会社にしていくのか。
「コマース事業とプラットフォーム事業のシナジーを大事にしながら、会社が大きくなってきたわけだが、新しいフェーズに入ってきている。コマース事業については、以前は『物を仕入れて売る』というビジネスモデルだったが、今は自分たちが開発して売るというモデル、つまりメーカーになっている。当社の現場から生まれたECプラットフォーム『ネクストエンジン』についても、5000社以上のEC事業者が利用しており、当社はネクストエンジンのいちユーザーでもある。ネクストエンジンを当社の課題を解決するために改修するのではなく、5000社のために何ができるか、ということを考えなければいけない。つまり、シナジーを大事にしてきた両事業は、それぞれ別のものとして捉えるフェーズということだ。また、成長とともに組織の規模も大きくなっているが、一人ひとりの社員の熱量を維持できるような組織にしていくことで、変化の激しい時代に対応していく。それぞれの事業の独立性を高めていくことに取り組んでいきたい」
――昨年には、ハイエンドゲーミングモニターブランド「Pixio」を立ち上げた。スマホケースとゲーミングモニター、さらに今回の化粧品と、扱う商材の方向性がかなり違う。
「商品で区切るという考えが難しい時代になっているのではないか。確かにこの3つはジャンルがかなり異なる商材だが、当社は新規事業を興すにあたり重要視しているのは、『既存のブランドが活かせる分野』『Eコマースのノウハウを活かせる分野』の2軸だ。ゲーミングモニターや化粧品に関しても、全然違う分野に参入するというよりは、今までのノウハウやサプライチェーンが活かせる分野と考えている」(おわり)
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――他の韓国コスメブランドと比較した際の強みは。
「マーケティング力で優位性があるのではないかと思っている。また、ベースメイク、スキンケアからスタートするわけだが、コロナ禍を受けて『きれいな素肌を保ちたい』『メイク中も素肌に負担をかけたくない』といったように、肌に優しい化粧品を手に取る傾向が、若年層の間でも強まっている。バイユアでは『毛穴ケア』を重視している」
――2020年における、韓国からの化粧品輸入額は約500億円とのことだが、いつ頃までに、どの程度のシェアを獲得する目標なのか。
「今期(2022年4月期)が終わった後に、23年4月期を初年度とする4年間の中期経営計画を発表する予定なので、具体的な数字はそこで明確にしたいと思っている」
――投資回収までには何年かかるか。
「3~5年で黒字化していきたい」
――韓国コスメのブームは定着するのか。
「定着すると思っている。ここ数年、韓国コスメはものすごい成長率を維持しており、このトレンドはしばらく続くだろう」
――新たな商品ラインの開発は考えているのか。
「まずはベースメイクカテゴリーからスタートし、スキンケア、そしてカラーメイク、ヘアケアと事業拡張を行うことで、安定性の高いポートフォリオを作っていく。ただ、コロナ禍におけるニーズ変化もあるだろうし、そこを見極めることも大事になってくる。例えばヘアケア商品はかなり競争が厳しいし、価格も重要だ。市場動向を良く見極めた上で展開していきたい」
――実店舗の展開は考えているか。
「顧客と継続的かつ直接の接点を持つことは重要だ。チャンスがあれば、コンセプトショップ的な常設店も検討したい」
――日本以外での展開は。
「韓国でも販売していく予定だ。ただ、国によってニーズが大きく変わってくるので、一気に海外展開していくというよりは、その国や地域の特色にあわせた化粧品を開発する必要がある」
――その他のジャンルへのiFaceブランドの展開は。
「何でもiFaceブランドでやっていくことは考えていないが、他ジャンルにも興味はある。スマホケースだけではなく、自分たちのブランドやネット販売のノウハウといった強みを活かしたい」
――iFaceのブランド価値をどのように高めていくか。
「10代後半から20代前半女性への高い認知度が一番大きな武器になっている。この層には『iPhoneを新しくしたらiFaceだよね』という認識があり、昨年9月に発売された新型iPhone商戦においても、相当数のケースを販売できた。認知度を活かし、若年層に向けた新たなアプローチをしていく」
「スマホケースは頻繁に買い換える人はあまり多くないし、買い換えるにしても年1回。顧客接点が限られてしまう点が課題となっていた。化粧品は継続的に使ってもらえるジャンルなので、それ以外でも継続的な接点をどんどん増やしていける商材に進出していく」
――昨年7月、社長に就任した。ハミィをどういう会社にしていくのか。
「コマース事業とプラットフォーム事業のシナジーを大事にしながら、会社が大きくなってきたわけだが、新しいフェーズに入ってきている。コマース事業については、以前は『物を仕入れて売る』というビジネスモデルだったが、今は自分たちが開発して売るというモデル、つまりメーカーになっている。当社の現場から生まれたECプラットフォーム『ネクストエンジン』についても、5000社以上のEC事業者が利用しており、当社はネクストエンジンのいちユーザーでもある。ネクストエンジンを当社の課題を解決するために改修するのではなく、5000社のために何ができるか、ということを考えなければいけない。つまり、シナジーを大事にしてきた両事業は、それぞれ別のものとして捉えるフェーズということだ。また、成長とともに組織の規模も大きくなっているが、一人ひとりの社員の熱量を維持できるような組織にしていくことで、変化の激しい時代に対応していく。それぞれの事業の独立性を高めていくことに取り組んでいきたい」
――昨年には、ハイエンドゲーミングモニターブランド「Pixio」を立ち上げた。スマホケースとゲーミングモニター、さらに今回の化粧品と、扱う商材の方向性がかなり違う。
「商品で区切るという考えが難しい時代になっているのではないか。確かにこの3つはジャンルがかなり異なる商材だが、当社は新規事業を興すにあたり重要視しているのは、『既存のブランドが活かせる分野』『Eコマースのノウハウを活かせる分野』の2軸だ。ゲーミングモニターや化粧品に関しても、全然違う分野に参入するというよりは、今までのノウハウやサプライチェーンが活かせる分野と考えている」(おわり)