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山手線にショーケース【JRE MALLの現状と今後 JR東日本㊥】 横浜駅では体験型カフェ開設

2021年12月 9日 10:30

 前号に引き続き、東日本旅客鉄道(=JR東日本)が運営する仮想モールの「JRE MALL」について、同モール運営チームの責任者である、事業創造本部新事業創造部門新領域UTの細田知宏マネージャー・統括に、現状や今後の展望を聞いた。

 ――モールへの集客のための販促活動については。

 「当然ウェブマーケティングなどは行っているが、(独自の内容としては)大きく2つある。まずは、(グループの共通ポイントサービスである)『JREポイント』の保有者への訴求としてセール情報などをメルマガで配信している。また、タイアップ企画として『ビューカード』から利用者に向けて案内してもらう場合もある。

 もう1つが、駅というリアル施設を持っているため、そこでの訴求は大きいと思う。11月からは、山手線内を中心に20駅でショーケース型店舗の『JREMALL Car』の設置を開始した。11月30日にはJR横浜駅構内に、ショールームとカフェが一緒になった複合店として『JRE MALL Cafe』も開設している。駅の中でモールの入り口を増やしていくことが今年の大きな取り組みとしてあった。併せて駅社員にも協力してもらい、入会キャンペーンも各駅で展開している。交通広告とも並行してリアルに入口を作っている」


 ――JRE MALL Carでの展開内容とは。

 「ショーケースについては人気商品や旬の商品を置いている。商品についてはそれぞれにQRコードを付けており、そこからモールに入って購入することが可能。(利用者が)どこの駅でQRコードを読み取ったかが分かるようにもなっている。また、それとは別にショーケースごとにクーポンが手に入るQRコードも付けており、簡単なアンケートに答えて1000円分のクーポンをプレゼントするような内容を行っている」

 ――反響としては。

 「まずは東京駅で開始したが、かなり立ち止まってもらえている印象。今(11月末現在)は『Suicaペンギン』の20周年記念をショーケースの中で打ち出しているが、見てもらえる顧客は増えている。モールへの流入は間違いなくあり、そこでの購入も見られている。東京駅のショーケースについてはオンラインでオペレーターとつながっていて会話ができるようにもなっている。日中の時間帯でタブレットを通じて、ショーケース内の商品説明やQRコードからの買い物の仕方などを案内している。今後は順次、山手線以外にも拡大していく」

 ――JRE MALL Cafeも新しい業態となる。

 「カフェについては2週間ごとに企画を変えていくもので、例えば『新潟県のふるさと納税特集』という内容であれば、新潟県の自治体の返礼品をショールームとして置いていき、QRコードからモールで申し込むことができる。また、カフェの方でも(特集で置いている一部商品について)簡単な加工食品などはイベントメニューとして提供している」

 ――体験型という観点の仕組みでは。

 「店内にあるモニターを通じて、土日を中心に現地の人とオンラインでつないでワークショップを開催することもある。新潟であれば組子細工の紹介や酒蔵ツアーなど、横浜のカフェの中から生産地や販売者と直接つながることができる体験型のショールームとなる。

 また、店前ではポップアップショップもあるため、企画と連動した商品がその場で買えるようにもしている。顧客に対してお知らせもするし、モールとして集客もする、ショールーミングもするというシームレスな形となっている」(つづく)




 
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