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TSIホールディングス 店頭でOMO型レコメンド、プレイドと協業でEC行動データなど活用

2021年11月25日 12:15

 大手アパレルを傘下に持つTSIホールディングスは11月25日、顧客体験プラットフォーム「KARTE(カルテ)」を手がけるプレイドと協業し、オンライン上の顧客行動データと店舗の在庫データを組み合わせて顧客体験価値を高める取り組みに着手したことを発表した。第1弾として、TSIの基幹ブランド「ナノ・ユニバース」の3店舗を対象に、スマホアプリのチェックイン機能を活用したOMO型レコメンドの実証実験を始めた。

 






 TSIグループはこれまでも、ウェブサイトやアプリ内の行動をリアルタイムに解析して顧客一人ひとりに合った施策が打てる「カルテ」を活用したウェブ接客に取り組んできたが、デジタルと販売スタッフの力を融合したOMO戦略、ユニファイドコマース戦略を推進する上で、対象領域を実店舗にも拡張。プレイドとの協業により、オンラインの顧客行動データと店舗在庫データをつなげることで一貫した顧客体験の実現を目指す。

 今回のOMO型レコメンドは、「顧客の”タッチ”から始まる店舗体験」をコンセプトにしたもので、「ナノ・ユニバース」の店頭に設置したチェックインシステムに、顧客が自分のスマートフォンで同ブランドのアプリを起動してタッチすると、「ナノ・ユニバース」公式通販サイトとアプリの閲覧履歴やお気に入り登録のデータをもとに、店頭に在庫があるお気に入り商品がアプリ画面に表示されたり、来店した店舗で購入できるアイテムのレコメンドが受けられたりする。

 昨今は、通販サイトやアプリで気になる商品の目星をつけてから実店舗に来店する顧客が多く、アンケート調査でもECでチェックした商品を確認するために実店舗に来店するユーザーが多いこともあって今回の仕組みを構築した。

 これまで、自社ECやアプリ上の行動データはオンライン上での体験価値向上には役立っていたが、当該データは実店舗とはつながっておらず、オンラインとオフラインで顧客体験が分断されていたという。

 実証実験はそうした課題に対して顧客の”タッチ”という能動的な行為を通して解決することを目指している。主導権を顧客に置きながらタッチしてもらい、店舗でオンラインの行動データを活用することを伝えた上で、店頭でもパーソナライズされた体験を提供。「それぞれのお客様に寄り添いながら、”個”を軸にオンラインとオフラインをつなげて顧客体験の連続性を持たせたい」(渡辺啓之執行役員デジタルビジネス部長)とする。

 実証実験の対象店舗は「ナノ・ユニバース」のラゾーナ川崎プラザ店と、ららぽーとTKYO―BAY店、ららぽーと横浜店となる。

 現時点で検知できる店舗での顧客行動データは「チェックインしたかどうか」だけだが、今後は店舗スタッフによる接客履歴の蓄積や活用も視野に入れるとともに、チェックインすることで受けられる体験向上施策、機能もアップデートしていく考え。

 アプリのダウンロード数やEC化率の高い「ナノ・ユニバース」で実証実験を始めたが、実験結果をもとに今後は「ナノ・ユニバース」の他店舗やTSIグループの他ブランドの店舗にも同システムを展開したい意向だ。
 
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